仲間が 体調を崩し

長期間 活動できずにいた。

 

本人が 一番つらいだろう。

励ましも かえって 重荷になるのではと

そっと、待つだけの日々。

一年ぶりに おはなし会に顔を出してくれた5月。

すっかり 小さくなってしまったけれど

笑顔は輝いてて、必ず戻って来るって言ってくれて

涙があふれた。

 

そして、

今日、

念願かなって 一緒にお届けに立つことができた。

 

教室に入る時には 杖も使わないで

まっすぐに立ち、きらきら輝く目で

ワタシの語りを聞いている。

自分の番には はじめこそ緊張しているのが見て取れたけれど

そのうち、よどみなく

物語が 流れ始める。

 

聞き手の集中が 彼女の方に

ぐんぐん集まって

おはなしの魔法が 目に見えるようだった。

 

聞いてね、面白いから。

そう、思って語ったって。新人の頃を思い出したって。

 

たしかに、瑞々しく

生き生きとした声だった。

ワタシが支えなきゃなのに

まるでそんな必要がないくらいに

楽しかった。

 

 

帰ってきたんだなあ、と、

やっと、実感できた。

 

 

おはなしの神様。

ありがとう。

仲間を 守ってくれてありがとう。

また、一緒に歩きだせる

この幸福を

じんじんと、

味わいつつ

満ち足りて

湯舟でまた

涙流した。

 

ありがとう。

おめでとう。

 

ありがとうね。