5月の 毎年恒例大人のおはなし会に向けて

グリムの『熊皮服の男』を 入れています。

 

無鉄砲な若者い兵士が、

荒野で悪魔にそそのかされて、

賭けをする。

悪魔の提示した条件を

7年間 貫いたなら

無限の富を与える。

対価は己の命。

 

若さゆえ、それに乗った若者は

名前を奪われ 呪いをかけられます。

 

風呂に入る事、 

爪を切る事、 

髪や髭を切ることも櫛を入れることも禁じられ

徐々に 人間らしい姿を失っていく・・・。

人々には忌み嫌われ

悲鳴を上げて逃げられるのに

ポケットからは 金貨があふれ出す。

お金はあるのに

心身不愉快極まりなく

孤独で不安・・・。

神に縋る手立ても奪われ

さすらう日々。

 

なんて恐ろしい呪いでありましょうか!

 

若者が どのようにして

この苦しい旅を乗り越えていくかが

おはなしの 肝なのです。

 

ドラマティックに

ダイナミックに

そして

ロマンティックに

さらには

不気味な余韻を響かせて。

 

そんな風に 語りたい。

ほんでも、

難しい。

 

難しすぎて

逃げ出したい

放り出したい

自分と 葛藤中です。

 

 

昨日の 日曜美術館、ご覧になりましたか?

北方ルネッサンスの大スター

ヤン・ファン・アイクのヘントの祭壇画の特集でした。

若かりし頃、バイト代つぎ込んで

北方ルネッサンスの画集を買い

ファン・アイクの美しい筆さばきに

惚れ惚れとなったのを懐かしく思い出し

とても面白く視聴しました。

本題とはそれ

ハッとするそらまめ。

熊っ皮と 洗礼者ヨハネは

イメージが被るなあと思ったことである。

 

祭壇画が普段は閉じられてて

ミサの時、パタパタと開くわけだが

その扉に当たる部分に

ヨハネが描いてあって、

そういやあ、ヨハネっていつも裸足で

毛皮巻いてるよね・・・。と思ったら

あら、まんま、熊っ皮だね(ファッションだけ)。

 

おや、さすれば、

この昔話のラストに近い

悪魔との最後の会談は

洗礼者ヨハネの行った儀式

バプテスマのパロディになってるんじゃない?

って気がしてきました。

ヨハネの立場に 悪魔が立って

ヨハネによく似た姿の若者を

洗い清めるシーン・・・。

 

さらに、若者の放浪の旅のテーマは

善行を積み 貧しいものに富を分け与える事。

これも、ヨハネの教えと重なる気がします。

 

うんうん。

ワクワクしてきたど~♪

もうひと踏ん張り 頑張れるかも♡

 

 

昔話の楽しさは

こうして、

小さな事柄の共通項に気が付いたり

それに乗じて 雑学の森へ分け入ったりする

一見 無駄とも思える(そして大概無駄である)時間にこそ

あるのだと、思うんだよなあー。

 

興味をそそられた方

いらっしゃいますれば、

グリム童話集の

熊っ皮、もしくは 熊皮服の男

読んでみてくだされ。