十二指腸潰瘍で救急搬送となった私は、かなり危険な状態だったらしい
なんとか救命の先生に助けていただき、一命を取り留めたのだ
しかし、その後はいろんな管に繋がれながら絶食状態で飲水すらできない
そんなとき浮かんできたのは
「蜜柑ゼリー」だった
蜜柑ゼリーさえ食べられたらもう死んでもいい
そう強く思いながらベッドで過ごしていた
絶食状態は10日近く続いたが、それでも段々口や鼻などの管が抜けていって、やっと念願の食事再開となった
最初は潰瘍食なのでミキサー食や三分粥からはじめ、徐々に五分粥、七分粥と固形になっていく
そして、ついに食事について出てきたのは、蜜柑缶だった
蜜柑ゼリーではないがほぼほぼ同じようなもんだ
丁重に味わう
旨い!
人生でベストスリーに入る旨さだ
この時もこれを食べられたらもう死んでもいいなと思った
その後退院し、妻がプルプルの蜜柑ゼリーを買っておいてくれた
友だちが言った
くれぐれも命と蜜柑ゼリーを天秤にかけるようなことはしないように