【不潔恐怖で引きこもりだった私が4か月でバイトできるまで】

こんにちは。心理カウンセラーの武田です。



今回は、当ルームの相談者(Nさん女性)のインタビューをご紹介します。

インタビューのご協力いただいたNさんは強迫性障害の不潔恐怖の症状があります。

主な症状は

・トイレ後の手洗いが10回以上でハンドソープを3日で使い切ってしまう。

・外のトイレが使えない。

・買い物かごや商品やレジ台が触れないので買い物が苦痛。

・電車の椅子、ベンチ、など、不特定多数の人が触っているものに触れない。

・人に当たってしまうとすぐに着替えたくなりパニックになる。

・洗濯は同じ服を3回、洗濯機にかける。


などです。他にも触れないものがいっぱいありました。

苦手なものに触るたびに手を洗ったり除菌したり洗濯したりするので、一日の大半を強迫行為に費やしてしまうといった感じでした。

ですので、外出することもままならず、この1年は引きこもり状態だったそうです。

Nさんにはこの4か月で12回のカウンセリングを受けていただいたのですが、ずいぶん改善しアルバイトにも行けるようになったそうです。

では、ここからがインタビューです。


●カウンセリングを受けてどうでしたか?

Nさん:本当にありがとうございます。先週から事務のバイトができるまでになりました。午前中だけですが。もう一生働けないんじゃないかと一時は思っていましたので夢のようです。カウンセリングを受ける前は毎日泣きながら手を洗ってたんです。洗濯もお昼過ぎまでかかってしまいグッタリしていました。明日も手洗いや洗濯を止められない苦しさがあると思うと、夜寝るのが怖かったです。何のために生きているのかわからなくなって消えて楽になりたいと思ったこともありました。今はそんな毎日からずいぶん解放されて楽になりました。先生のおかげです。


●カウンセリングの内容で印象的だったのは?

Nさん:私はスッキリするまで手を洗ったり、とことん洗濯すれば安心できるので、それがいいことだと思っていました。でも、強迫行為をやればやるほど悪化するということを教えてもらって、だから治らなかったんだとすごく納得できました。エスカレートしている自覚があったので。強迫行為をガマンするのは大変でしたが、目に見えない汚れだったら洗わないようにするとか、2回以上の手洗いは病気の症状とか、わかりやすい基準を教えていただいたのも助かりました。


●強迫行為を減らすためには勇気と覚悟が必要だったと思いますがよく頑張りましたね。

Nさん:それも先生のおかげだと思います。最初の頃、手洗いを2回までにするという目標がありましたよね。その時、できた日もあればやっぱり7回とか洗っちゃう時もあったんです。でも、先生ができた時のことをほめてくださったり、必ずできると励まし続けてくださったから、少しずつ乗り越えることができたんだと思います。


●トレーニングで難しいと思ったことは?

Nさん:毎日買い物をするという練習は最初すごく怖かったですね。買い物かごを素手で触ったり、手前の商品を買ったりするのは、めちゃめちゃ勇気がいりました。それまではビニル手袋をして、商品もなるべく奥の物を取るようにしていたので。レジ台にも服がかすらないように細心の注意をしてました。家に帰った後もすぐに手を洗いたくなったり、着替えたくなりましたが、1時間そのまま過ごすというのは、最初本当に苦しかったです。「この衝動はOCDの衝動だ。脳の病気の間違った衝動だから洗っちゃいけない」とメモを何度も音読しながら耐えていました。でも苦しかったのは最初の3日間だけで、4日目くらいからは少しずつ耐えるのも楽になってきたのを覚えています。先生が「行動を変えるのが先で不安が下がるのは後」とおっしゃっていた意味がその時はじめてわかりました。


●洗濯はどうでしたか?

Nさん:洗濯もきっつかったですね~(笑)ひどいときは同じ服を表裏×2回で4回も洗濯機回していましたからね。でもこれは自分でもバカバカしいと思っていたんです。それでも止められなかったんですけど。先生のアドバイスで「2回以上の洗濯は強迫行為。つまり病気の症状」と教えていただいたときに「そうか病気だからしちゃってたんだ。本当はやらなくていいんだ」と何か腑に落ちて次の日から1回にチャレンジしました。最初は全然汚れが落ちてないような気がして猛烈に気持ち悪かったです。なんどももう一度洗いたい衝動に襲われました。正直言いますと洗っちゃったときもありました。でも、徐々に1回で終われるようになって、今では絶対に1回です。なんで4回も洗ってたんだろうと不思議なくらいです(笑)


●アルバイトに行ってみてどうですか?

Nさん:本当に嬉しいです。人とつながることができて毎日が楽しくなりました。パソコンのキーボードやボールペンなどは最初触るのは嫌だな~と思いましたが、仕事と割り切って触っているうちに平気になってきました。最初はキーボードに触るたびに手を洗いたくなりましたが、みんなの目もありますし、そのまま仕事を続けているうちにあまり気にならなくなってきました。一番不安だったのがトイレです。手洗いが止まらなくなったらどうしようという不安があって、職場ではトイレに行かないようにしてたんですが、この前我慢できなくなってトイレに行きました。でも、そこまで手洗いの衝動が強くなくて2回洗えば大丈夫でした。家での練習の成果だと思います。その時すごくうれしくて、今は毎日職場のトイレも使っています。


●生活は楽になりましたか?

Nさん:はい。すごく楽になりました。カウンセリングを受けるまでは、手洗いと洗濯と除菌だけのための毎日だったように思います。でも、今は少しですが仕事もできてお給料も頂けるまで回復できました。まだ、日によって手洗い衝動や洗濯衝動が強い時がありますが、それに振り回されないでうまくかわせるようになったと思います。自分の時間が増えたのが、なにより本当に嬉しいです。
Nさん、インタビューありがとうございました。


強迫性障害の回復段階は、「軽快」→「寛解」と進んでいきます。

「軽快」とは強迫行為が減り、少し良くなっていますが、まだ症状や回避が残っている状態で、油断するとまた悪化してしまう状態です。

「寛解」とは「軽快」からさらに良くなり、強迫観念が浮かんでも強迫行為をしたいという衝動がかなり小さくなっている状態です。

Nさんは「軽快」から「寛解」へと移行しつつある状態で、ずいぶん回復されたと思います。すごく努力されたと思います。

しかし、まだまだ油断は禁物で、ここで強迫行為をしてしまうとぶり返してしまいますので、これからも強迫行為をしないよう心がけていくことが大切ですね。
 

お一人で悩み続けて、心が疲れて生きづらい時は、いつでもお話を聴かせてくださいね。

 

強迫性障害をお薬なしで治すカウンセリングに興味がある方は、下の黄色いボタンからホームページをご覧ください。

 

カウンセリングの詳細ページへ

 

直接お電話でお問合せ・ご予約することも可能です。

090-3623-7508  までお電話ください。

 

ブログをお読みいただきありがとうございます。

お手数をおかけしますが、下のブログランキングに応援のクリックをいただきますと励みになりますので、ぜひよろしくお願いいたします。