【不潔恐怖の人がやってはいけない3種類の強迫行為】

こんにちは。心理カウンセラーの武田秀隆です。



今回は不潔恐怖を治すために大切なお話です。

今回の記事は次のような流れで書いていきますね。

1.やってはいけない3種類の強迫行為。

2.治すためのトレーニング(行動療法)の仕方は。

3.行動療法を乗り越えるために。



1.やってはいけない3種類の強迫行為。

不潔恐怖を治すためには、次の3種類の強迫行為を減らしていく必要があります。

なかなかよくならない、全然治らないという方は、やってはいけない強迫行為をやってしまっている可能性が高いので、チェックしていただければと思います。

やってはいけない3種類の強迫行為とは、

A.回避行動。

B.過剰な洗浄除菌。

C.巻き込み。


まずAの回避行動はさらに2つに分けることができます。

・苦手な物に触るのを避ける。

・苦手な物に触ってしまった手できれいな物に触るのを避ける。


いずれも回避行動にあたり、やればやるほど悪化してしまいます。
 

「不特定多数の人が触っている物」や「地面」などを避けている人が多いと思います。

そして、もしそれらに触ってしまったら、その手のまま他の物を触るのを避けるという人も多いと思います。

不潔が怖いわけですから触りたくないですよね。

そして、きれいにしておきたい場所に汚れを広げたくないですよね。

そのお気持ちはとてもよくわかります。

ですが、この病気はやっかいな特徴があって、苦手な物に触るのを回避すればするほど悪化してしまうのですね。

つまり、回避行動をやめていくトレーニングが必要になってくるわけです。

次にBの過剰な洗浄除菌の行為は、

・3回以上手を洗ってしまう。

・何かに触るたびに手を洗う。

・シャワーや風呂にすごく時間がかかってしまう。

・少しでも汚れていると感じたら除菌シートで拭く。

・同じ服を何度も洗濯機にかける。

・洗っても気持ちが悪い物は捨てる。


などです。これらの行為に対しても「どうしてもやめられない。やめると不安でたまらない」というお気持ちがあると思います。

「そんなに簡単にやめられるのならば最初から苦労はしていない」とお声を上げたいお気持ちもよくわかります。

ですが、過剰な洗浄除菌もやればやるほど、汚れに対する苦手意識が増してしまい、さらに過剰に洗いたくなるという悪循環になってしまうのですね。

やればやるほどエスカレートして、どんどんやめられなくなっている実感がある人も多いのではないでしょうか。

過剰な洗浄除菌をやめることは確かに、忍耐も覚悟も必要です。

ですが、今の洗浄除菌に追われる生活からどうしても抜け出したいと思っている人は、できるところからでいいので、洗浄除菌をやめていく努力をすることをおススメします。

最後にCの巻き込みですが、

・家族にも手洗いや着替えを強要する。

・家族にも「そこに触らないで」「その靴下でそこを歩かないで」などと強要する。


というのが一例です。

巻き込みもやればやるほど、汚れに対する苦手意識が強くなり、どんどん家族への要求がエスカレートしてしまいがちです。

互いに感情的になってしまい、夫婦関係や親子関係が悪化してしまうことも少なくありません。

ですので、巻き込みについてもできるところから減らしていくという努力が必要になってきます。


2.治すためにトレーニングの仕方。

では、不潔恐怖を治すために、どのようなトレーニングが必要なのでしょうか。

それは、やってはいけない強迫行為の裏返しとなるのです。

【回避がダメだから積極的に触って広げる】

つまり、苦手な物を回避してはダメだからそれの裏返しで、

・苦手な物にどんどん自分から触っていく。

・苦手な物に触った手で、汚したくない物をどんどん触っていく。

という練習が大切になってきます。

つまり、「汚れていると感じる物に触り、その手で汚れを広げる」という練習です。

不潔恐怖の人は、絶対に汚したくないという「聖域」を守ろうとしてしまいます。

ですが、聖域を守る行為が強迫行為になるので、聖域を死守すればするほど不潔恐怖は治りません。

苦手な物に触って、その手で聖域を触り、聖域を無くしていくことがこのトレーニングでは大切なのです。

汚れに対して受け身ではなく、こちらから積極的に触っていく「攻めの姿勢」で取り組むとより効果的です。

これは、一般的には「曝露療法」と呼ばれています。

【洗浄除菌がダメだから洗わず淡々と過ごす】

次に、上記のような「曝露療法」をすると、たまらなく手を洗いたくなったり、除菌したくなったりすると思います。

つまり、「過剰な洗浄除菌」をしたくなると思います。

ですが、それをしてしまうと治らないので、しないで踏ん張る練習が大切になってきます。

汚れに反応しないで淡々と生活を送るトレーニングが大切なのですね。

このトレーニングは「反応妨害法」と呼ばれています。

「曝露療法」と「反応妨害法」をセットで行うことが不潔恐怖治療には有効で「曝露反応妨害法」と呼ばれています。

つまり、「苦手な物に触って、汚れを広げて、洗わない」という練習ですね。

3.行動療法を乗り越えるために。

ここまで読まれた方は、

・汚れている物に触るなんてとても恐ろしてできない!

・汚れた手できれいな物を触るなんて絶対イヤ!

・手洗いや除菌をガマンするなんて耐えられそうにない!


と叫びたくなると思います。

「強迫観念がきついからどうしても強迫行為をしてしまう!」そのお気持ちは本当によくわかります。

「強迫観念が浮かばないようにするにはどうしたらいいでか?」

という質問をしたくなる気持ちもよくわかります。

強迫観念が浮かぶから強迫行為をしてしまうわけなのですが、強迫行為をするから強迫観念がまた浮かんでしまうのですね。

実は、強迫行為をやめていくトレーニングを数カ月していくことで、ようやく強迫観念が弱くなっていくのです。

強迫行為をやめていくのが先で、強迫観念が小さくなるのはその後なのですね。

だから、まずは「強迫観念が浮かんでも強迫行為をしない」という練習をしていくことが治すためには必要になってきます。

そこが苦しいところですね。

ですが、ただひたすら我慢では、行動療法はとてもつらいものになってしまいます。

行動療法を乗り越えるためには、

・できるところから徐々にハードルを上げていくスモールステップの目標設定。

・苦手な物を触る時のコツや心理的支援(励ましやほめ言葉)

・強迫行為をやめる考え方のコツや知恵。


などがとても重要だと私は考えています。

ですので、私のカウンセリングでは、クライアント様がトレーニングを挫折せず継続できるように、「その人に合った目標設定」「心理的支援」「乗り越える知恵」を大切にしています。

 

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