ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

俳句は一字が大切!

2019年04月21日 | 俳句

 今日も晴天、このように洗濯日和が毎日続くのは嬉しい。山口の最高気温も今日は27度ですって!本当に暖かくなったもんです。この前までの寒さが嘘みたい!

 ところで、金曜日の兼題「花曇」で高点句だったのは、〈鬼瓦庭にほかれて花曇〉でした。

 「鬼瓦」と「花曇」の取り合せの句ですね。立派な鬼瓦がもう要らなくなったのか、庭に捨てられていたのを見て詠んだのだと作者。きっと寺の庭などでしょうか。普通は屋根の上にで~んと構えて威張っているような鬼瓦が、もう用なしと捨てられているのはちょっと哀れ…季語の「花曇」もほどほどに響き合っていていいと思いました。なのにどうしても何か気になるんです。みなさん分かります?

 それは中七の〈ほかれて〉です。ウ~ン?これ終止形は「ほかる」?じゃあ何形なの?助詞「て」に付くのなら連用形のはず…ということはこの動詞下二段活用なの???などなど、疑問が生じるでしょう?意味は「捨てる」だと、採った人も作者もみんな分かってそう思っているのに。

 では「捨てる」というのを「ほかる」と言う?方言かしらと皆さんに聞いてみても???そこで、広辞苑で調べてみるとありましたよ。東海・北陸地方などで「捨てる」ことを「ほかる」と。でも、ラ行五段活用ですって。ということは、やはりこの「ほかれて」は間違いという結論になります。だから、捨てるという意味の「ほかす」を、正しく「ほかされて」と、もしくは方言を使うなら「ほかられて」と言うべきところ。ちなみにここは主語が「鬼瓦」ですから、「れ」は受身の助動詞ということになります。

 最終的には中七が字余りになるので、助詞「て」を除けて、〈鬼瓦庭にほかされ花曇〉としました。方言も使いようによってはおもしろくなりますが、あまり意味が無いのなら標準語の方を使って、美しく仕上げた方が詩的になると思いますね。ちょっとしたことですが、俳句というものは短い分だけ一字一句に気を配って、伝統的な美しい日本語を残していくという役目もあるかと、私は思っているんです。

 昨日の午前中は、フォーユー定期文化講座の開講式でした。去年は忘れていて行かなかったので、今年は忘れないように…と心していたつもりですのに、また忘れそうになって。主人から〝カレンダーに開講式と書いてあるが、行かんでもいいのか?〟と言われ、慌てて滑り込みセーフでした。アブナイ、アブナイ!

 午後からは定例の宇部馬醉木句会でした。それで会場に行くと、今度はナンとたったの5人…エエッ、どうしたの?欠席投句が多いのはいつものことで仕方がないのですが、いくら少なくなったとは言っても、私を含めて10人は出席していましたのに…。本当に淋しい限り。でも、その分じっくりと句の検討ができて、勉強になったとは思いますがね…。

 まあ、めげずに頑張りましょう。悪いことは重なるもの、いいときだってあるはずですから。まあ、まあです。

 写真は、2019年フォーユー定期文化講座の開講式の様子とフォーユーの庭に咲いていた〝花水木〟。これは晩春の季語です。

 

 

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