ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

八代の〝つるの里〟へ吟行(その1)

2020年02月20日 | 俳句

 今日はお天気もよく、最高気温も13度と先日来の寒気が緩んで、過ごしやすい気候になりましたのに、今週は火曜日から毎日俳句づけで、いささか疲れぎみになっています。主人の風邪も相変わらずの…。だからか、私まで何だか頭が痛くなり喉の調子が今一つなんです。肝心なときになって…困るう~

 ところで、今日の夕方驚いたことがありました。この3月7~8日にかけてのフォーユー文化講座の学習発表会が完全中止になりましたという連絡が入ったのです。エエッ、こんな所にまで新型ウイルスの影響が…と正直ビックリ。そういえば、今朝福岡県で初の感染者が出たというニュースが流れて、主人が〝こりゃ、山口県も時間の問題だぞ〟と言っていたばかりでしたから。わあっ、これからどうなるんでしょ!そのうち日本中に広がったら…オリンピックは???と考えると、オソロシイ!でも私の頭じゃどうにもならないし…

 こんな時に…何ですが、先日の〝つるの里〟への吟行会のことを忘れないうちに書いておこうと思います。 

 この鶴のいる八代(やしろ)までは、宇部から高速道を通っても一時間半ほどかかりますから、この日は朝早く出かけました。天気予報では前日より気温は低く、もしかしたら道路も雪が残っていたり、凍結したりしているかもと、心配していたのですが……。案の定朝から日が照っていい青空…ほら、やっぱりでしょう!誰かが〝先生、吟行のときはいつも晴れますね〟と、不思議がっていました。エヘッ…でも気温は低いから陰などに入るとやっぱり冷たかったのですが、全くの杞憂に終わりヨカッタ!だからとてもいい吟行会となりました。

 この八代は、山口県の東部、周南市の東にあって、海抜697mの烏帽子岳からなる山々のふところにたたずむ盆地です。この「つるの里・八代盆地」を目指して、毎年稲刈りが終わる頃、遠くシベリアからナベヅルたちが渡って来るのです。

 世界には15種類のツルがいますが、八代に渡って来るナベヅルは、灰黒色で首から上が白く、目の周りが黒くアイマスクをしているように見えます。身長は90~100㎝、左右翼を広げた長さが185㎝くらいで、嘴はわりと短く10㎝程度。体重は4㎏ほどです。10月下旬に3羽から4羽の家族で夜に渡ってきて、翌朝餌を食べに来たところを発見されます。冬の間をここで過ごし、3月となって野山に緑が見え始める頃、シベリアへ旅立ちます。穏やかな天候で、遠くまで視界が広がる日に、ツルたちは一ヶ所に集まって、一斉に飛び立ちます。旅立ちは午前8時から11時頃が多く、遅くても3月中旬までには八代を離れていなくなります。

 写真は、ナベヅルの剥製で、その下はマナヅルです。次が渡りのルート。一番下はツルが渡って来る頃の八代盆地。

 八代にナベヅルが来はじめたのは明治初年頃だと言われています。その後、年々数を増してきて、昭和15年(1940)には355羽も来ていましたが、生活環境や自然環境の変化で年々減っていき、このところはとうとうひとけたになってしまいました。一番少なかったのが、平成20年の4羽。この時は悲壮でしたね。こういう状態で絶滅を心配し、鹿児島県出水市の保護したツルを八代へ移送して治療・馴化の後放鳥するという〝ツル移送計画〟が実施され始めたのが平成18年のことでした。しかし、それもあまり効果があがらぬまま、ここ10年はずっとひとけたを低迷していました。

 私が始めて観に来たときは、それでも30羽近くいましたが、どんどん減って、でも去年はどうにかやっと10羽…。だから毎年鶴の飛来数が心配で心配で、今年は?と思っていましたら、何と18羽。これは久々のヒットで嬉しかったですね。

 私は八代には何度か来ていますし、鶴が渡って来る前の塒(ねぐら)整備にも野鳥の会から参加していました。だからビックリするほどの感動はないのですが、始めてだという人が何人かいて、それはもう興味シンシンで…。

 ところが、監視所に行く途中に人が立ち止まって見ていましたので、〝鶴がいるの?〟と。でもよく見るとそれは10羽ほどのデコイでした。監視所に行って双眼鏡で覗いてもどこにも鶴は見えませんでした。監視カメラで映像を流していましたが、それには8,9羽ほど動いていました。しかし、監視員さんに聞くと、ここからは見えないところにいるんだと。〝待ってたら見えるところに来ますか?〟と聞くと、〝さあ、それは分からん〟と。鶴を観に遠くから来て見ずに帰るなんてと悔しがっていると〝そりゃ、運が悪かったの~〟と、何ともつれない返事。

 時間がないので、仕方なく〝つるの墓〟でも見てから昼食と句会をするところへ行こうと監視所を後にしました。小さな〝つる塚〟、を見て、もう一つの〝鶴の墓〟へ行こうとしたとき、先程のデコイの回りへ鶴が飛んで来て次々と田へ降りました。〝わあ、見て、見て、鶴よ!〟と、喚声が上がったのはもちろんのこと。鶴は臆病ですから余り近寄っては観れません。通行止めのところまで行って観ていましたら、軽トラックが来て?…それは先程の監視員さんで、すぐ帰るようにと注意をしに来たのでした。私たちもしっかり監視されていたの? ヤダーッ!

 写真は、最初のデコイがあったところに来ていますので、混じって20羽ほどに見えますが、半分が本物です。

 後ろ髪を引かれる思いで次の〝鶴の墓〟へ行って、食事処へ行って食べていると、先程の鶴たちが移動したらしく、その飛んでゆく姿が窓からしっかりと見えて、今度は本当にラッキーでした。ツルさんたちアリガトウ!

 まだ他にも吟行したところがありますが、長くなりましたので、それはまたつづきで…


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