やっと
やっとよ、おまいさん
仏国にも夏が来たわ。
 
先週はセーター着てたけど、こういう振り幅が仏国の季節の切り替わりの醍醐味じゃ
日本のやうに徐々に季節が変わる予感など与えてくれへんから
ある日突然冬から夏に変わり、タッタの数週間で夏から晩秋になる。
 
この切り替わりは仏人のメンタルに多大なる影響を与えていて
例えば今回みたいなコロナ篭城の後に、大きく振り幅を振り切って新生活をしら〜っと始められるんやも知れぬ。
四季の移ろいにワビサビを感じながら徐々に新しい生活を受け入れ慎重に馴染もうと努力する日本人には、まさに「あんたらコロナの事忘れたんやろ!?」ってなレベルにしか見えへんかったりするよね。
一部のアッパラパーは置いておいて、(仏国的感覚における)常識のある国民のコロナと共存するしかない新しい日常の受け入れ方や見事なまでの切り替え方はあっちこっちの在仏邦人から大ブーイングされておる生活様式なんかも知れへんなあと、
思ってみたりみなかったり。
でも仏人がコロナはなかった事として生きていると言う解釈ではなくて、これが彼らの切り替え方であり解釈なんですやろうね。
 
だからこそ、徹底した外出禁止令が必要な国やった、ってだけの事やんね。
マスク率は低いと言うても、徹底しているところはきちんとやっているし、消毒や手洗いも手の皮が擦り切れるほど徹底せねばならん会社組織もあるので、仏人間でも意識の差が相当激しいから不満が出ている模様よ
実際にここってジャポンですか?と言うレベルの仏人も決して少なくないんだな。
衛生観念も、徹底してるかズボラかの二極しかなくて中間がない気がする。
 
 
 
 
さて、
今週からいきなり30℃越えで、食べ物もすっかり夏バージョン気分になれるし
前回の続きでジャポンではあまり馴染みのないスパイシーな料理
ルガイユ・ソーシスという西インド諸島はレユニオン料理なるものをご紹介しとくわ。
 
レユニオン島の料理は元祖多国籍料理で、マダガスカル、インド、フレンチ、中華、東アフリカからの移民によって影響を受けて融合されたいわゆるクレオール料理
(この説明に入ると本題に行かれへん様になるのでまた別の機会で大いに語りたい思います)
ワタクシはパリ遠征では和食店以上にレユニオン料理の店に通いますし、
加えて幸運にも友人のご主人に何人かレユニオン島出身がいらして、お陰様で機会がある度にスンバラしい料理の腕前を振る舞って貰えたりして、彼らからいつも新しい豊かな経験をさせてもらっておりますの。
 
 
多分、ジャポンでもまだ本格的なレユニオン料理の専門的なレストランは無いみたいやから(カレー屋さんでお弁当とかで売っているお店があるみたいやけど情報古かったら堪忍え)
これ、素材も簡単に手に入るのでお家で是非作ってみてちょ。
 
 
 
 
 
材料 (だいたい4人前)
 
ソーセージ (仏国ならメルゲーズとか薫製タイプがええし) 700g
トマト 4〜5個
玉ねぎ 2個くらい
ニンニク3片
生姜 1片
タイム 少々
ターメリック(ウコン)小匙1〜1.5
エスプレット唐辛子粉(あるいはカイエンヌペッパーとか島唐辛子) ひとつまみ

 
作り方
 
1.5cmくらいにカットしたソーセージを大きめのフライパンか鍋で炒める
一旦取り出して、鍋に玉ねぎとニンニクと生姜を入れて炒める
玉ねぎが飴色になったらダイス状にカットしたトマトとスパイスとハーブを投入。
5分くらい炒めたら焼いたソーセージを再び鍋に戻して蓋をして弱目の中火で15分位煮込んで、蓋を外して更に15分くらい煮込む。
 
基本のレシピは以上だす。
レシピは仏蘭西味バージョン
(シェフによると昔のレユニオン料理レシピではタイムとかニンニク入れない場合もあるらしい)
気分で辛さを調節してもよろしいし、夏野菜のオクラなんかも入れると楽しいよ。
 
 
 
image
 
 
ターメリックを入れるので、何となく一見トマトカレーっぽいイメージに取られるかも知れませんけど、ルガイユはカテゴリーカレーでは無い。(と思う)
シンプルな素材とシンプルな味付けなので、日本人はついついカレー解釈なアレンジに走りたくなるかも知れまへんけど、これは是非とも変な小細工せんと作ってみて欲しい。
ジャポンのカレーは素晴らしい思いますけど、下手にあれこれ手を加えたら結局日本カレー風の枠に収まってオリジナルの醍醐味が楽しまれへん様になるんちゃうかな。

ルガイユ(現地の発音だとルーガイに近い)はトマトベースの辛味の効いた料理で、煮込むバージョンと、生のままで唐辛子や玉ねぎ、コンババというこぶみかんの一種の皮を刻んで和えた付け合わせ的なバージョンの二種類おますの。
 
 
 
 
こちらは付け合わせのルガイユの方。
辛さ大人級ざます。
 
トマト4個(角切り)
玉ねぎ1個(みじん切り)
生唐辛子(赤と緑4つくらい)乳鉢ですり下ろすか粗みじん切り
生姜1片(すり下ろし)
コンババ(こぶみかん)皮(すり下ろし)1個分
塩胡椒 適量
 
玉ねぎと生唐辛子の量はお好みで調整して大丈夫ざます。
 
 
 
image
 
 
レユニオン料理の付け合わせは基本お米(バスマティ米)で食べるんですけど
糖質オフでキヌアとカリフラワーライスに合わせていた月曜断食基本コース時代の一皿ざます。(ポーションが小さいのは咀嚼して拳二つ以内で100〜140gの食事制限のせいでござる)
ラタトゥイユと並んでヘビロテだった昨夏の食卓。
食生活を大改革して今は大変健康に食を楽しむ日々ざます。
ソーセージは加工肉だから嫌だと言う自然派のおまいさんは肉でも魚でもどうぞ。
でもこれ、ソーセージ(薫製は尚のこと)やから美味しいねんけどね。
魚肉ソーセージでやったらどうなんかな(笑)
レユニオンの方に叱られたら素直にあやまっとくわ。
 
 
 
image
 
最近のワンプレートなルガイユ飯(オット用)
付け合わせはバティマス米の五穀米バージョン
これは海外で自家製五穀米実験でやってみたんですけど、また改めてアップしまっさ
レンズ豆もレユニオンでよく食べられるし、我がご当地の名産でもあるのでナイスコラボになったでござるな。
 
 
こちらでチヤホヤされているエスニックでスパイシーな外国料理って
アジア圏も含めて辛さで勝負よりも香りの複雑さが決め手になると思うわ。
胡椒もスパイスも日本で見る事もないスケールの多さで、どぎつくさせないスパイス使いは洗練されてると思います。
なのでおフランス料理でもシェフ達が挙って使いたがる訳ですが、甘味にスパイスの組み合わせって、サラダにフルーツを使うよりも日本人には中々湧かない発想かも知れまへん。
(スパイスと甘味とかのネタはまた別の機会に)
 
 
 
 
おまけ
 
 
image
 
先日のコロンボ咖喱編で使ったコロンボスパイスについて仏国ならばスーパーでもアジアンやフランス領の食品店に行けばどこでも手に入るレベルのミックススパイスなんですけど、内訳的には
ターメリック、ジンジャー、コリアンダー、クミン、フェヌグリーク、マスタード、カレー(全部パウダースパイス)、唐辛子(粉)、コショウ、塩、
こんな感じでござんす。
 
むしろこちらでカレーを作る際に使い勝手の良いカレー粉としてコロンボを使っているくらいなのでジャポンの方は日本のブレンドカレー粉でも十分かまへん思います。
 
カレー以外の用途でスパイスが多用されるおフランス(おフランス領)のお料理についてはまたそのうちに。