同じ月に真夏と晩秋の気温が体験できる9月ざます。
もう、すっかりヒートテック必須な気候になっとります。
この瞬間芸の如くな季節の変化、頭では分かっていても未だに夏時間〜冬時間みたいに慣れる気がしまへん。
(まあ、そんだけ脳も心も柔軟性を失い適応能力の老化が顕著なんでっしゃろ。)
 
 
 
いくら寒くても、朝の散歩は美しいもんです。
今年の春見逃した美しい景色を、今取り戻すが如くの勢いで満喫しとります。
それにしても、光の速さで時間が経った気がするわ。
 
今年も3ヶ月切っちゃったけれども
どんな事になるんですやろうね。
 
 
 
さて、先日我が家の厨房の仲間入りを果たした製麺機でございますけれども
遊ばせておくのはまだ早いので
忙中閑ありの隙を狙って酷使してみましたよ。
 
説明書の通りではどうにもコシの弱さという致命的な部分があった訳ですが
打ち立ての蕎麦を喰らふ為なら一手間かけても惜しくない、そんな気持ちがあれば
まあまあ良い線のモノが作れる事が判明。
実験シュフの醍醐味が発揮できましたわ(笑)


 
 
捏ね機能に限界があるので
(例えばジャポンのユーザーさんの工夫で捏ね時間を長くしてみる、とか、捏ねてから麺を押し出し体制に入る直前に一時停止して生地を休ませてから再び捏ねて製麺させるという裏技?などすると捏ねられすぎて麺が押し出せなくなるという惨状になるんですよ、欧州版は)
それなら機械に負担をあまりかけずに、そこそこいい生地になるように工夫をする
何となく、それならハナからグルテンを足して生地を作ったらええんちゃうの?
って事で使いたい粉にグルテン粉を入れてみたわけです。
セモリナ粉に強力粉にグルテン粉、その上繋ぎの玉子を入れたんであっという間に生地が形成されて途中で何度も固まった生地を細かくちぎって製麺グラインダーに入れ直すという工程を踏むハメになりましたが(さもないと生地が固まりすぎて麺が押し出されない)、これのおかげでコシのある麺が作れることが判明よ。
感動的なまでにツルツルしたコシのある麺が押し出されてきました。(対先日比)
 
 
 
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笑えるくらいに歯応え抜群の麺になりました。
むしろアルデンテさえも可能なほどです。
艶々です。
吹きこぼれ防止のために鍋は半分だけ火にかけて対熱流をずらすとよろしよ。
 
そして何よりすこぶる香りがよろしいわ。
これぞ打ち立て生麺の醍醐味というやつですわ。
蕎麦に玉子入ってますけどね(まだ言う)
 
 
 
そしてこちらは全粒粉ベースの唐辛子と柚子粉入り麺ざます。
唐辛子は韓国産のモノなので見た目ほど全く辛さは無く、ゆずの香りがしっかり漂う和風麺。
ちなみにこれは試しに卵を入れず。
こちらは卵入りよりもっとソフトな食感になりんした。
 
実験も兼ねておるので、時間の経過で麺がどう変化するのかも確認したけど
やっぱりこの製麺機で作った麺は打ち立てを食べきるのが一番美味しく楽しめるわ。
特に乾燥している欧州では、打った麺を置けば置くほど千切れやすくなるし風味が落ちる。
そもそも基本のレシピが一回で200g(〜400gまで)という食べきりな量で提案されておるので、そういう事でっしゃろうね。
 
 
 
 
とりあえず、量がアレなんで蕎麦巻きなんかにしちゃったわ。
これだとサラダ麺より食べやすいし、アペリチフにもってこいというもの。
コメを炊いて酢飯を作る巻き寿司よりとっとと完成する事に気づいてもうたわ。
 
乾麺の茶蕎麦よりもはっきりと抹茶の風味が感じられるし、ゆずの香りもしっかり分かるし、蕎麦粉や粉類も有機農家さんから直買いの無農薬かつクオリティが高いモノなので素材の風味が全然違うのがびっくりするくらいよく分かった。
野菜も地元のビオ農家さんの朝採れ野菜と地卵ですわ。
地味ながらも田舎暮らし最強なメニューになってしまいましたよ。
農家さんたちは、ご近所のワインバーに集まる日があるのでこれを持って差し入れ報告と味見をお願いしたらたいそう喜んでもらえて何よりざんす。
 
そういえば、抹茶味といふ風味はお茶以外でもすっかり仏国だけではなく世界でその揺るぎない地位を確立した感がありますけど、仏人のとある目線が斬新だった話を思い出す。
 
 
そして、前回パスタ(ショートパスタのことな)はこの製麺機で作るとイマイチやと思うと書いておりますが、
これもまた経験という事で実際にどれくらいイマイチになるのか作ってみました。
 
 
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こちらの生地にはバジルとトマトペーストが練りこまれておりんす。
これもまたすんばらしく香り高いパスタになりましたがな。
ベースはデュラム小麦と卵だす。
無骨な感じですけど、想像以上にプリプリで歯応えあって、まさに生麺の風味。
 
乾麺と違って食べ応えあるしいにもズッシリです(笑)
 
 
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香りもええし、ちょっと良い塩と胡椒とパルミジャーノとオリーブオイルに
レモンバジルを散らしてシンプルに。
(余談ですけど、オリーブオイルは常々スペイン産が欧州産では一番旨いと思います。イタリアには申し訳ないけどスペイン産のホンマにええオリーブオイルの味を知ると比較になれへんの、これは友人のオリーブオイルマスターも言うてたわ。もちろんイタリアのオリーブオイルも美味しいねんけど。)
 
公式レシピ写真の完成度が高すぎて、一般購入者たちの投稿写真との差があまりにも凄すぎてとても作りたいとは思ってませんでしたが(すまん)
これはこれでアリだと思います。
 
 
 
 
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なんせ、乾麺を作っておる友人(本職だす)の工房にある本物の製麺機マシーンで仕込んでいるところを拝見すると、当然ながら自分の製麺機がどれほどオモチャっぽいかよく分かるって話なんですが(当たり前だ、値段も30倍以上違う)
軽やかでアルデンテな食感を求めるならこの手の本気仕込みの乾麺やわな。
しかも原価的に考えても自家製がびっくりするほどお得なわけでもないから。
労力と手間を考えたらショートパスタは市販の美味しいブランドの方がお便利よ。
 
実は、うちの料理長であるウジェニーさん(いつの間にかワタクシより格上になっとるし)にはアタッチメントをつけるとかなり本気のパスタ&製麺ができる機能をお持ちでいらっしゃるのですが、何となくそこまで今はまだ食指がのびまへん。
これは一重に炭水化物摂取量が変化した為やと思いますし、後片付け問題もある。
 
たとえば今手持ちのヌードルメーカーとてショートパスタ作りの後片付けは他の麺作りアタッチメントに比べて笑えるくらい面倒臭い。
ジャポンの製麺機にはパスタのアタッチメント専用のクリーナーが付いているらしいけど、こっちにはそんなものありませんでした。
 
 
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これを爪楊枝を使って生地を剥がしていくわけよ。
乾燥させてペリッと取る手もあるかも知れへんけど、変に生地が固まったら嫌やし。
この作業をしている時は、もうペンネは作らへんからな、と心から思わせてくれるんだな。
麺のアタッチメントは穴と同じサイズの掃除用専用ヘラがついておるのでそこは問題ないですよ。
 
ペンネ用アタッチメントの掃除が極めて面倒臭い事を知ってしまうと、本格的な銅製アタッチメントを必要とするウジェニーさんのパスタ製麺機能拡張に積極的になる気がしない。
あれはきっと、ひき肉を挽いた後の後片付けよりも心折れる作業になるに違いないと思えてならぬからでござる。
 
 
さて、
次はラーメンと焼きそば、うどんなどをボチボチと作ってみようと思いやんす。