句作その289…米寿の母 | まりんぼったの独り言

まりんぼったの独り言

ヨウムのまりん(2000年生まれ)との日々…
笑ったり、怒ったり、ひたすらにぎやかな日常の中で、私(なまちゃん)の日々も流れて行きます。
調子に乗って、俳句、短歌、川柳、小説なども。
秘境に1人暮らしをしている母も92歳になりました。




  敬老の日のネックレス止められず


 
  季語……敬老の日……秋



 




 朝、バタバタしていると母から電話。


 いきなり本題びっくり

 「この前のネックレス、どうやって
  止めるんだったかな?」

 瞬時に頭をフル回転アセアセ

 「あれはね、先ず金具を掛けて、ギュッと
  押し込むんだよ」

 「やっぱりそうだよねえ。さっきから
  ずっとやってみてるんだけど、どうし
  ても入らないんだよ…💧」


 今日は、母の住む市町村では敬老の日の
 催しが行われる。

 米寿を迎えた母は、お祝いに招待されて
 張りきっていた。

 髪を染めて、パーマを掛けて、着ていく 
 服を決めて口笛


 そこまではよかったんだけど、ネックレス
 のことは、私もウッカリしていた❗

 6月にお祝い用の写真を撮ったとき、
 ラベンダー色の上衣にピッタリだと、
 真珠色のネックレスを付けてあげた。

 そのとき、手が不自由な母のことを思い、
 着脱は私が何気なくしたのだった。

 若いとき、あれほど器用だった母の手は、
 農作業の重労働ですっかり変形して
 しまい、ネックレスやブローチを止める
 ことが困難になった。

 

 冠婚葬祭のときは、必ず一緒だから、
 誰かに頼めるけど、今日はウッカリして
 いたなあ…💧


 結局、母は迎えに来てくれた人に止めて
 もらって、お祝いの会に出掛けた。


 皆さんにあたたかく迎えられ、母は
 感激して帰って来た。

 思い出の歌をカラオケで歌うときは、
 堂々と前に出てデュエットで喉を披露
 したと言う。

 曲名は「だんなさま」

 一生添い遂げようと思っていた父は、
 33年前不慮の事故で逝ってしまった。

 その後、広い農地を守りながら、独りで
 コンニャクや葡萄作りを頑張って来た。


 「歌は、感情を籠めて歌わないとね。
  歌詞を読むと、胸がジーンとして、
  みんな感動してくださっていたよ」

 月見紅葉

 お母さんの人生は、楽しいことより
 辛いことの方が多いような気がするけど、
 みんなの前で堂々と歌い切る度胸は
 本当に素晴らしいよ❗

 私もお母さんを見習って、何があっても
 強く明るく生きていくからね照れ