敬老の日のネックレス止められず
季語……敬老の日……秋
朝、バタバタしていると母から電話。
いきなり本題
「この前のネックレス、どうやって
止めるんだったかな?」
瞬時に頭をフル回転
「あれはね、先ず金具を掛けて、ギュッと
押し込むんだよ」
「やっぱりそうだよねえ。さっきから
ずっとやってみてるんだけど、どうし
ても入らないんだよ…💧」
今日は、母の住む市町村では敬老の日の
催しが行われる。
米寿を迎えた母は、お祝いに招待されて
張りきっていた。
髪を染めて、パーマを掛けて、着ていく
服を決めて
そこまではよかったんだけど、ネックレス
のことは、私もウッカリしていた❗
6月にお祝い用の写真を撮ったとき、
ラベンダー色の上衣にピッタリだと、
真珠色のネックレスを付けてあげた。
そのとき、手が不自由な母のことを思い、
着脱は私が何気なくしたのだった。
若いとき、あれほど器用だった母の手は、
農作業の重労働ですっかり変形して
しまい、ネックレスやブローチを止める
ことが困難になった。
冠婚葬祭のときは、必ず一緒だから、
誰かに頼めるけど、今日はウッカリして
いたなあ…💧
結局、母は迎えに来てくれた人に止めて
もらって、お祝いの会に出掛けた。
皆さんにあたたかく迎えられ、母は
感激して帰って来た。
思い出の歌をカラオケで歌うときは、
堂々と前に出てデュエットで喉を披露
したと言う。
曲名は「だんなさま」
一生添い遂げようと思っていた父は、
33年前不慮の事故で逝ってしまった。
その後、広い農地を守りながら、独りで
コンニャクや葡萄作りを頑張って来た。
「歌は、感情を籠めて歌わないとね。
歌詞を読むと、胸がジーンとして、
みんな感動してくださっていたよ」
お母さんの人生は、楽しいことより
辛いことの方が多いような気がするけど、
みんなの前で堂々と歌い切る度胸は
本当に素晴らしいよ❗
私もお母さんを見習って、何があっても
強く明るく生きていくからね