『スサノオとタケミナカタの真実を巡る旅』。
4話目.タケミナカタが呼んでいる
5話目.タケミナカタの叫び
6話目.神は人の敬によりて…
7話目.最強の武神再び…
8話目.伝説の星の神
10話目.タケミナカタとは何者か?
11話目.日本史上初の王、再び…
12話目.海底に沈んだ神
13話目.コトシロヌシの真実
14話目.ヤマタノオロチと生贄伝説
15話目.諏訪の奇祭の謎
16話目.天武天皇とタケミナカタ
17話目.日本最古の南海トラフ地震
旅の終わりが見えてきた。
天武天皇は最後に、
僕にこう言った。
天武天皇「諏訪の地へ行くがよい。
そこにすべての、
答えがあるであろう」
最後の課題は、
この諏訪の地と、
地震の関係性を、
知ること。
そしてそこに鎮まる、
タケミナカタさんと、
『伝説の星の神』、
アマツミカボシさんの関係を、
『=(イコール)』で、
結び付けること。
『スサノオとタケミナカタの真実を巡る旅』は、
終わりを告げる。
そう思い、
『天武・持統天皇陵』から早速、
諏訪の地に、
向かおうとした時…?
あ「はい?」
ス「お前いつもいつも、
勢い良いのはええけどやな。
その前にちょっと髪の毛と知識が、
足らなさすぎる」
あ「髪の毛は足りとる(真顔)。
知識、とは…?」
ス「そもそもお前、
地震が何で起きるか知ってるか、
説明してみぃ」
あ「………。
巨大なナマズが…」
ス「出来てへんやないか」
あ「(汗汗…)」
ス「汗汗ちゃうわ、汗臭い。
えぇか、まず、
『プレート』ってのはわかるか?」
こんなこと神の俺に言わすな、ドアホ」
あ「(笑)
す、すいません…(笑)
最近真面目ばっかりで、
おふざけを入れないと、
陰と陽のバランスが崩れそうで…(笑)」
ス「そんなんどうでもええねん。
まず『プレート』というのは、
この地球の表面を覆う、
十数枚からなる、
厚さ100㎞ほどの、
岩盤のことを言う」
ス「日本というのはこのうち、
北米プレート、
ユーラシアプレート、
太平洋プレート、
フィリピン海プレート、
そしてお子さまプレートの、
ちょうど衝突部の上にある」
あ「お子さまプレートはない(真顔)」
それは冗談として、
その地形が故に、
日本は地震大国と呼ばれており、
この100年間の中で、
マグニチュード7以上の大地震の、
10%もが日本で起きている」
あ「なして?」
ス「まず地震が起きる原因としてやな、
分かっておかなければいけない大前提は、
『地球は今も動いている』、
ということや」
あ「地球は今も動いている?」
ス「簡単な話よ。
お前たちが今立っているこの大地は、
今も地殻変動を起こして、
1年間に数センチずつでも、
動いているということよ。
聞いたことないか?
毎年8センチずつ、
ハワイが日本に近付いているって」
ス「あぁ。
これはハワイ諸島が、
太平洋プレートの上に乗っているからであり、
太平洋プレートが常に、
日本側に動いているからやねん」
あ「すご…。
じゃっ!じゃあ!!
いつか日本とハワイも、
陸続きになるかもしれないってこと!?」
ス「ハワイから日本は、
約6600㎞で、
毎年8センチやから、
82万5000年後にな」
あ「ズコーッ!!」
ス「(笑)
まぁでもそういうことよ。
『地球は今も動いている』。
その中でさっき言った、
4つのプレートが、
ぶつかり合って、
せめぎ合えば、
何が起きると思う?」
あ「摩擦?」
ス「そうやな。
巨大なプレート同士が、
ぶつかり合って、
圧力がかかることで、
さっきのハワイの話のように、
そのプレートの上にある、
大陸同士もぶつかり合って、
何百万年もの時間をかけて、
同じ大陸となることがある。
ただそこには、
違う大陸同士がぶつかりあうことで生じる、
『断層』と呼ばれる、
大陸同士の繋ぎ目が出来る」
ス「それで終わればええけど、
『地球は今も動いている』、
の言葉通り、
今この現在も、
プレート同士が動いて、
お互いに圧力がかかり続けることで、
その大陸内の繋ぎ目、
『断層』にも圧力がかかって、
繋ぎ目がバコンッ!とズレたりする。
それによって生じるのが…?」
あ「地震…」
このケースは、
『阪神淡路大震災』な。
そして中には、
圧力がかかることで、
一方のプレートが、
ゴムのように、
もう一方のプレートの下に、
もぐりこんだりする場合がある。
そのもぐりこむ力が限界を超えた時、
元に戻ろうとする力が働いて、
それこそゴムのように、
バンッ!って弾け飛ぶ」
起きた原因であり、
こういったプレートと断層の、
地殻変動の一つ一つが、
地震や津波が起きる、
原因ってやつよ」
ス「この巨大地震を引き起こしかねない、
プレート同士の境界。
それがこの日本という国の下には、
山ほど眠っている。
その代表的なものの一つが、
お前が天武天皇に見せられた、
白鳳地震の原因となったものであり、
フィリピン海プレートが、
ユーラシアプレートの下に沈み込んでいる、
『南海トラフ』」
あ「…はい…」
ス「その他にも、
太平洋プレートが、
日本列島の下に沈み込んでいる、
『日本海溝』。
伊豆半島の東の相模湾にある、
『相模トラフ』。
こういったかつて地震を起こし、
これからも起こる可能性がある、
『断層』が、
この日本には大小合わせて、
約2000もある。
実はこの日本という国に、
生きるということは、
爆弾を抱え続けながら、
生きているようなもんよ」
あ「…はい…。
天武天皇はそれを、
抑えようとした、と…」
ス「そういうこと。
そしてそれがなぜ、
『諏訪』の地だったか?
南海トラフや相模トラフと同じように、
この国には、
『中央構造線』と呼ばれる、
九州の八代から徳島、伊勢を経て、
諏訪、群馬の下仁田、埼玉、茨城まで、
日本列島を西から東へ渡る、
世界第一級の大断層がある。
『構造線』というのは、
大規模な断層のことな」
…あっ!なるほどっ!!
その構造線が、
諏訪の地の下を通っているから、
そこに諏訪大社を建てて、
地震納めにしようと!!」
ス「違う」
あ「え?」
ス「さらにもう一つの構造線。
『糸魚川―静岡構造線』。
日本列島を西から東へ横切る、
『中央構造線』に対して、
日本列島のど真ん中を、
北から南へ、
ぶった切るように通る、
巨大断層」
『中央構造線』と、
『糸魚川―静岡構造線』が、
ちょうど交錯するその場所に…」
ス「『諏訪大社』がある」
ス「そして…。
その『糸魚川―静岡構造線』の名の通り、
その断層の始まりの場所、
『糸魚川』には…」
あ「………?」
ス「タケミナカタの母親…、
『ヌナカワ姫』がいる」
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