ヨーロッパ横断旅行記85 ユーラシア大陸南西端の町ポルトガルのサグレスに到着する

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セビーリャ3日目の朝。今日はスペインのセビーリャからポルトガルのサグレスまで向かうため朝6時に起床しました。正直昨日の晩の宴会のため、あまり寝ることはできませんでしたが、どうしても、今日、一人で、サグレスに行きたかったので無理くり起きて、宿を出ることにしました。

まだ寝ていた同部屋の佐々木さんを起こし、別れを告げ、ポルトガルでの再会を約して、一人バスターミナルを歩いて目ざしました。バスターミナルには7時前に到着し、難なくチケットを購入することができました。バスは意外?にも時間どおりセビーリャを出発しました。

出発時点こそ天気が悪く、雨もパラパラ降っていましたが、ファーロ辺りから晴れ間が広がっていきました。そしてラーゴスに到着すると地元?らしき人はほとんど降りて、バスに乗っているのは4人の日本人のみという滑稽な状況になっていました。やはりここでも“深夜特急”の影響の強さを思い知りました。

深夜特急6-南ヨーロッパ・ロンドン- (新潮文庫)
ああ、そういえばスペイン-ポルトガル間の国境も知らないうちに越えていました。パスポートコントロールすらありませんでした。まるで日本の県と県をまたぐような感じでした。尚、スペイン-ポルトガル間には時差が1時間ありますが、ポルトガルのサグレスには、予定時間より30分遅れて12時ころに到着しました。

サグレス。ここは、ユーラシア大陸南西端(最西端ではない)の岬、サンヴィセンテ岬があるところです。まあ、そんなことよりも日本人バックパッカーには”深夜特急”にて主人公沢木耕太郎が旅の終わりを決意する岬として有名でもあります。サグレス行きのバスの中で最終的にサグレスで降りたのが全員日本人というのがその証拠かと思います。

バスを降りるとプライベートルーム(自分の家の空き部屋)を貸そうとするおばちゃんたちに囲まれました。私はその中のひとつ、一泊1500ESCの部屋に宿を決めました。案内されたのは平屋ですが白くて清潔な1軒屋。そこの1室でした。トイレ・シャワーは共同ですが、部屋は清潔な10畳ほどの大きさの部屋でした。

部屋に荷物を放り投げ、まずは銀行に行き2万円分のトラベラーズチェック(懐かしい)を両替すると43700ESC返ってきました。スペインペソよりも遥かにレートがいい。そして、昼飯を近くの食堂でとり、この後の大イベント(自分の中で)のために部屋でしばらく休むことにしました。

それは、この旅の目的の一つである、サンヴィセンテ岬で”深夜特急”の沢木耕太郎よろしく大西洋に沈む夕日をみる、ことでした。今から考えると大分痛いですが、当時の自分の中では、大事なイベントとなっていました。


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