言葉の受け止め方が変わった今、
【死ぬこと以外は皆、かすり傷】
と言い切るこの言葉に、
何とも言えない浅薄さを、感じるようになりました。
…心の持ち方を変えれば、
今のどうしようもない落ち込みも、
かすり傷に思える…
そう思える方は、基本的に、身体に
致命的な疾病を抱えている訳ではなく、
また、年齢的にも、「まだ、これからがある」と、
自らを鼓舞できる〈若さ〉が残っている方、
つまりは、
『もともと健康かつ比較的若い層』に
属している方なのではないでしょうか。
だから、
【皆、かすり傷】と言い放つことができるのでしょう。
かすり傷は、
わずかな時間で治り、
傷痕も残らないことが、殆どですから。
6年前の夫…
肝硬変末期で、息をするのもやっと、という夫に、
「ドンマイドンマイ、こんなのかすり傷よ!」
と言ったところで、
何の励ましになったでしょう。
なる訳ありませんでした。