鳥越城
別名: 別宮城(べつくう じょう)
所在地: 〒 920 - 2361 石川県白山市三坂町
城地種類: 山城
築城年代: 天正8年(1580)以前
築城者: 鈴木出羽守(すずき でわのかみ)
主な関連施設: 白山市立鳥越一向一揆歴史館(スタンプ設置場所)
文化財史跡区分: 国指定史跡
櫓門
2017年4月6日の「城の日」に財団法人日本城郭協会が続100名城を発表
しました。石川県からは " 鳥越城 " が選ばれました。
続100名城は幾つか登城済みですが、スタンプを押したうえで登城数を
カウントしたいと思います、今回行った鳥越城を登城 8城目とします。
鳥越城概要:
加賀一向一揆の軍事拠点の一つとして鈴木出羽守が築城したと伝わる。天正元(1573)8月には織田信長が浅井氏・朝倉氏を滅ぼし、一揆衆は強大な織田軍団と対峙する事になる。織田軍団は天正4年(1576)までに越前一国を平定するが、一揆衆は能登に侵攻してきた越後の上杉謙信と結んで徹底抗戦する。だが、謙信の病没や石山本願寺の降伏を経て、天正8年(1580)に城は落城。その後も一向一揆は抗戦したが、天正10年(1582)には最後の抵抗も鎮圧され、加賀一向一揆は壊滅した。と、手元の資料に書いてあります、壮絶な戦いがここ鳥越城で繰り広げられていたんですね。
枡形門
前回の「其の一」では駐車場から後二の丸下をとおり、後三の丸、
枡形門をくぐり本丸までをリポートしました。
今回「其の二」ではその本丸跡から続きをリポートします。
本丸跡
確か7年前に来た時には、本丸にこのような石版は無かったと記憶して
います。少しづつではあるが、城跡が整備され良くなっていく、喜ばし
いかぎりです。
本丸からの眺望
ここ本丸は風が勢いよく吹くので、どんなに暑い日でも最高に気持ち
良い。(冬は寒そう)
まわりを自然に囲まれ、現代でもご覧のとおりの景色なので城跡はとて
も雰囲気に満ち溢れています。
井戸跡
こんな山頂に水が出るのか? 深さはどの位あったのか? その辺の説明
は無いのでとても気になります。(今後に期待)
望楼台跡
確かにここからの見晴しはとても良いので、必然的にこの場所に建て
られたんでしょうね。(ここも説明等は無し)
こちらが望楼台からの景色です、ここに建物があり、その上から見れば
さぞかし良い眺めであったであろうと容易に想像がつきます。
先程のポジションから右を向くと、この風景が目にとび込んできます。
青い空、草木の緑、心地よい強めの風……。(幸せだなぁ~)
中の丸から
中の丸から本丸方面を見ます、城柵が良い感じで雰囲気でてます。
中の丸門
よく出来ているので、とても雰囲気があります。
隅櫓跡
発掘調査によると、どうやらこの隅櫓は織田方によって建てられた櫓
の跡ではないか?との事らしい。(枡形門の石垣もそうらしい)
二の丸
先程の門の南東に位置するのが、こちらの二の丸です。
二の丸の南東端にある、隅櫓跡です。
土橋
二の丸をさらに南東へと進み、三の丸の南東端へ。ここには堀切があり
この土橋を渡ってさらに進む事ができます。
堀切
この様な感じで尾根切してあります。(経年劣化で浅くなっています)
草が無ければ形がはっきりと分かるのに…。
後二の丸
ここで本丸とは堀切で分断されている後二の丸に向かいます。
詳細は写真に書いてあるとおりです。
本丸側から見た、堀切で隔てられた後二の丸です。
後二の丸から
後二の丸から見る、本丸北東部分の " 切岸 " です。
それにしても草が元気ですね、山城はやはり秋冬に来るべきです。
後三の丸
この右手の上が後三の丸となります、正面奥へ進むと後三の丸の北西
端にある堀切があります。高さ勾配ともに文句なしの薬研掘の堀切が
あるのですが、当日は猛暑のため生憎の短パン姿、悔しいですが諦め
ました。
その後三の丸の説明がこちらです。
(ここの堀切を下から間近で見たかった)
鳥越一向一揆歴史館
続100名城のスタンプはこちらの「白山市立鳥越一向一揆歴史館」に
置いてあります。ちなみに館内は無料ゾーンと有料ゾーンに分かれて
いるので注意が必要です。
認定証
スマホで撮ったら見事にピンボケでした。
スタンプ押印
スタンプの状態: " 良 " 新しくて、屋内管理なので状態は良い。(2018.7.現在)
スタンプのデザイン:定番ショットの印影となります。
鳥越城
見所ポイント: 本丸、中の丸、二、三の丸、後二、三の丸、枡形門跡、堀切、腰曲輪、
駐車場: 鳥越城専用駐車場15台程度
総評: 標高312mの山頂部に築かれた城は眺望に優れ、隅櫓や薬研掘などの中世山城の防御施設の跡が随所に残る。近接する一向一揆歴史館では、一揆勢と織田軍の激しい戦闘を物語る資料などが展示されている。と、手元の資料に書いてあります。
山城の規模としてはそれ程大きくはありませんが、南東~北西に細長く尾根づたいに展開される縄張は自然の地形をそのまま最大限に利用した効率の良い構造になっている感じがしました。各曲輪を堀切で分断し、ほどよい感じの高さと角度の切岸でこれまた曲輪を取り囲んでいます。決して難攻不落的な強固な山城ではないですが、城好きを魅了する不思議な魅力に満ち溢れています。こんな魅力と自然に満ち溢れた鳥越城に週末あたり訪れてはいかがでしょうか。