ネクラ店主の心の師・太宰治は人生の土壇場でこう絶叫しました。

 

最後に問う。弱さ、苦悩は罪なりや。

 

こうも言っています。

 

人間のプライドの究極の立脚点は、

あれにも、これにも死ぬほど苦しんだことがあります、と言い切れる自覚ではないか。

 

人間のもつ「弱さ」とは何でしょうか?

私は生来「心の弱い」人間だったので、

必然的に色々な人の「弱さ」を観察して生きてきました。

(正確に言えば、そうしなければ生きてこられませんでした)

 

「心の弱さ」とは、人間一人ひとりが抱えている大切な、大切な「秘密」です。

それぞれの人生の痛みがにじみ出た「苦味」です。

「苦味」は時に「旨味」に変化することがあります。

ワインのように時間が奇跡をもたらすこともあります。

弱さとは誰にも知られたくないようでいて、実は誰かに見つけてもらいたい、

心の奥底にある「宝箱」。

弱さとは太陽ではなく「月」。弱さとは「詩(うた)」。弱さとは「引力」。

 

最後に問う。弱さは罪なりや。

 

『絶望名人カフカの人生論』頭木弘樹さん訳・著

 

今夜はネクラ店主がこんなネクラな本屋をやっている

きっかけのひとつとも言える本を 満を持して をご紹介します。

「心の弱い」人間には、絶対的に「弱さの海」にひたる時間が必要です。

その時間の中で宮沢賢治風に言えば、

さびしさで自分だけの音をつくり、
多くの侮辱や窮乏を噛んで歌わなければなりません。

 

師・太宰は自分の宿命に酔っている部分もありましたが、

カフカにはそんなものは一切ありません。

徹底した自己存在への否定、

自身の運命、能力、作品、家族・人間関係への否定は、痛々しくほど妥協がなく、

一周どころか三周くらいして笑いが込み上げてくるほどです。

帯のコピーを拝借するならば、

 

誰よりも落ち込み、

誰よりも弱音をはき、

誰よりも前に進もうとしなかった人間の言葉

 

超深煎り、漆黒のエスプレッソ。弱さの交響曲。

だからこそ美味く、美しく、惹きつけられ、クセになる。

彼は今でもこうつぶやいているでしょう。

 

それでも孤独さが足りない。

それでもさみしさが足りない。

 

※新潮社から文庫版も出版されています。

でもネクラ人はやっぱり漆黒の黒版、単行本(飛鳥新社)ですよ。本当に。

そして頭木さんの絶望読書シリーズはいずれも必読!ということで。

 

 

※こちらの商品は近日中に当店のオンラインショップでも販売予定です。

http://www.kamakura-ugokasu-bunko.com/pg116.html

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