綾瀬はるかさんも、
古田新太さんも、
お笑いアナリスト!
□□□□□□はじめに□□□□□□
少し前(5/30?)の『冗談騎士』(BSフジ)、、、
後半部分の「冗談手帖」のゲストは「レインボー」でした。
レインボーは実方孝生さんと池田直人さんのコンビ。
1/1放送の「ぐるナイ おもしろ荘 若手にチャンスを頂戴 今年も誰か売れてSP」(日本テレビ)で優勝して以降、
テレビでもよく見かけます。
(…とは言っても、優勝してない『ひょっこりはん』の方がはるかに売れてますが、、、)
「冗談騎士」で披露したのも、
その「おもしろ荘」で優勝したネタでした。
そのネタで、
女性(池田)を口説く男性(実方)の印象的なセリフが、、、
「キレイだ、、、」
【ご存知無い方は、公式動画があります。
→(こちら)
公式なので、一応この動画を挙げますが、
下記で書いているポイントは伝わりにくいかも知れません。
台本は全く同じですが、BGMの音量などが、下記の笑いのフォーマットの成立を阻害していて、イマイチ面白くない、、、】
□□□□□□スピード他□□□□□□
前の恋愛を引きずり、
新しい恋に躊躇する女性を、
男性が口説き、説得するやり取りの中での会話、、、
「みゆきさんはキレイだ!」
「キレイじゃないよ!」
「キレイだ!」
「キレイじゃないよ!」
「キレイだ!」
「キレイじゃないよ!」
「キレイだ!」
「キレイじゃないよ!」
「キレイだ!」
「キレイじゃないよ!」
「キレイだ!」
「キレイじゃないよ!」
「………………(間)………………キレイだ、、、」
文字にするまでもなく、
「冗談騎士」MCの放送作家鈴木おさむさんの発言通り、
「『キレイだ』って言ってるだけ」。
それでもウケている「キレイだ、、、」を見て、
鈴木おさむさんが思い出したのが、
ラジオで共演した時の俳優古田新太さんの発言。
「ギャグ(で大事なの)は中身じゃない。スピード、トーン、タイミング。」
ギャグ一般に成り立つかは分かりませんが、
「キレイだ、、、」に関しては、見事に当てはまります。
□□□□□□あるある□□□□□□
そもそもこのネタって何が面白いんでしょう。
本人達の意図した笑いは、
「あるある」でしょうか。
映画やドラマの中で、
二枚目の俳優と美人の女優が演じている時には成立するセリフも、
冷静に考えて、
現実世界に当てはめてみると、
あり得ないですよね。
映画っぽい、ドラマっぽいクサイ台詞を言う事自体が、そもそもディスコミュニケーションな訳ですね。
< 基準 >:常識的な会話
< ズレ >:映画などに描かれる非常識な会話
<ツッコミ>:「ドラマか!」「クサイねん!」「いい男気どりか!」
更にそのセリフが作る笑いの落差を大きくするのが、
そのセリフを発する男性役の実方さんの存在感。
別に不細工な訳ではありませんが、
役作りも含めて、
クサイ台詞が似合うような二枚目キャラではないんですね。
観客は、
外見の方を先に認識するので、
見た目に相応しくないクサイ台詞の方がズレでしょう。
< 基準 >:クサイ台詞が似合うキャラではないにも拘わらず
< ズレ >:クサイ台詞
<ツッコミ>:「お前が言うな!」「どの口が言うとんねん!」
□□□□□□緊張の緩和□□□□□□
ただ、
「キレイだ、、、」のセリフの面白さに関しては、
何よりも、「緊張と緩和」が効いている事がポイントでしょう。
笑いが起きるのは、
決め台詞である最後の「……キレイだ、、、」です。
「キレイだ!」「キレイじゃないよ!」のやり取りが感じさせる、
男性の強い意思や女性の葛藤が「緊張の生成」。
タメでつくられる絶妙の「間」が「緊張の醸成」。
「間」の後の決め台詞の「……キレイだ、、、」が「緊張の緩和」。
< 基準 >:お互いが意地を張り合う言葉の応酬(緊張)
< ズレ >:意地を張りあいではない、気持ちのこもった台詞(緩和)
<ツッコミ>:「いや、ムキになってたんちゃうん!」「急に変わんな!」
ちなみに、公式動画では、
「やり取り」や「間」による「緊張」や、
「決め台詞」による「緊張の緩和」を効果的に作り出すのを、
BGMが邪魔してると思います。
□□□□□□当てはめてみると…□□□□□□
この笑いに、
古田新太さんの言う、
「スピード、トーン、タイミング。」
を当てはめてみると、、、
「キレイだ!」「キレイじゃないよ!」のやり取りのスピードや声の張り等のトーンは、「緊張」を作るのに必要ですし、、、
決め台詞の「……キレイだ、、、」の一言の、
優しい表情、静かなトーンは、
効果的に「緊張を緩和」します。
そして、
「緊張を醸成」する「間」に関しては、
決め台詞のタイミングが早いと「緊張の醸成」が不十分だし、
決め台詞のタイミングが遅いとせっかくの「緊張」が「弛緩」してしまうので、
決め台詞のタイミングはスゴく重要です。
「スピード、トーン、タイミング」が大切なのは、間違いないですね。
□□□□□□落差拡大□□□□□□
実際のコントでは、
話の展開の中でこの「キレイだ」のやり取りが何度か繰り返されるのですが、
最後のやり取りでは、
声も一層大きく、
セリフも被せて、、、
「キレイだ!」「キレイじゃないよ!」
「キレイだ!」「キレイじゃないよ!」
「キレイだ!」「キレイじゃないよ!」
「キレイだ!」「キレイじゃないよ!」
「キレイだ!」「キレイじゃないよ!」
最後は声を抑えて、
「………………(間)………………キレイだ~、、、」
やり取り=緊張の生成
「間」=緊張の醸成
「キレイだ!」=緊張の緩和
は全く同じですが、
大きな声とセリフを被せる事で、
お互いが意地になる様子を作り出しています。
より強い「緊張」を演出して、
「緩和」の時の落差を大きく感じさせている訳ですね。
□□□□□□おわり□□□□□□
「キレイだ!」「キレイじゃないよ!」のすぐ後に、
「キレイだ、、、」
でも面白くないし、
決め台詞を大きな声で、
「………………(間)………………キレイだ!!!(大声)」
と言っても面白くないでしょうね。
絶妙の「スピード、トーン、タイミング」が、作り出す笑いだと思います。
ちなみに、
「おもしろ荘」でゲストの綾瀬はるかさんが言ったコメントが、、、
「表情や台詞のタメ方(タイミング)や言い方(トーン)がいい。」
……核心を突いてます。
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