ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシー! | ほんとうのピコットさん

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子どもの本屋「夢文庫ピコット」店主です。
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昨日の定休日、

午前中は幼稚園に出かけ、

年長さんに絵本を読ませてもらいました。

 

お話会などで読み聞かせをされる方は、

成功の要はプログラムの組み立てにあり!ということで、

事前準備に時間と情熱を注がれますね。

 

でもこの日の予定では、

わたしが読むのは1冊と、ごく簡単なブックトーク。

・・・ということで、一発勝負です。

どの1冊に掛けようかと、

いや~、迷いました迷いました。

 

これが自分のクラスなら、

もし今日は十分に伝わらない子がいたとしても、

その後も繰り返し読んで、

(初回でお話ににすっぽり入れた子も、何度も同じ本を読んでもらうのは好きです。)

それぞれの子の中にお話が根付いて育つのを、

待つという楽しみがあります。

 

でもこの日のように一回で勝負の場合はというと、

聞き手全員に、上手くお話観光バスに乗っていただいて、

途中で迷子になったりしないよう、一緒にお話の旅をして、

揃って無事終点に到着した時には、

こども女の子boy男の子。男の子。boy女の子。あ~おもしろかった!

と思って降りてもらう・・・

という具合でなくちゃいけません。

 

結局この日の絵本は、

園児さんたちが秋には就学時検診も済ませて、

小学校への期待が高まりつつある時であろうことを予想し、

この本を読むことにしました。

 

 

 

 

いつもちこくのおとこのこ

ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシー

ジョン・バ-ニンガム 谷川俊太郎

あかね書房 本体¥1,500.

 

 

 

この長い名前の男の子は毎朝学校へ急ぐのですが、

なぜか毎朝のように事件が起こります。

下水からワニが出てきてカバンに噛み付いたり、

茂みからライオンが出てきてズボンを破いたり、

高潮にさらわれそうになったり。

 

そしてジョンの訴える遅刻の理由を、

底意地の悪い、担任の先生は、

頭の固い担任の先生は、耳を傾けず、

問答無用でお仕置きを与えるのです。

ところがある朝、

何も起こらず彼が無事に学校に着いていてみると、

なんと、先生はゴリラに捕まって天井にいました・・・、

という、起きるはずもないことが次々に起きる奇想天外なこのお話。

 

ジョン・パトリック・ノーマンマクヘネシー という、

とんでもなく長い名前が繰り返し出てくるお話ですが、

これまで何度も読んできたこの絵本、

この日も、全然噛まないで読めました~!

 

そしてこのお話、いつもそう思うのですが、

聞き手によって随分反応が違うのが面白いんです。

奇想天外な出来事に湧いて湧いて、大笑いのクラスもあるのですが、

今回のクラスのみんなは、

何が起こっているのか真相を知ろうとするように、真剣に見入っていました。

 

なので、

<お・し・ま・い>の後で念のため、

 

女性 みんなの行く学校には、

  ワニもライオンも出ないし、高波もやってこないからね~

 

と言葉を添えたところ、

うん!という元気な返事に混ざって、

かすかに、ホッ・・・というため息も。笑

 

実はこの準備をしていて、

作者のジョン・バーミンガムさんが1月4日に亡くなったことを知りました。

この作品を始め、たくさんの絵本で子供たちの心を掴んできた方でした。

バーニングさん、

これからも子どもたちはあなたの作品が大好きですよ。

ドッキリしたり、わっと笑ったり、頷いたりして、

あなたの作品を楽しんでいくと思います。

 

そして、あなたの作品で絵本の良さを知った大人の私たちも、

これからも、子どもたちに読み続けていきます。

たくさんの作品を、本当にありがとう!

 

 

応援よろしく!


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