もう一冊のくまのおはなし <松岡享子さん> | ほんとうのピコットさん

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子どもの本屋「夢文庫ピコット」店主です。
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明日から4月。

大急ぎでホームページを更新しました。
毎月の特集や新刊情報のほか、
4月からの定休日<1ヶ月で1日増えます>や、
連休中の営業についてお知らせしています。
ご確認の上、ご来店をご予定ください。
    ・・・→ pikot.com
 
そして、連休より前になりますが、
4月19日「(金)は、半日だけ特別に休業させていただきます。
松岡享子さんの講演会があるのです。音符

 

ここ・・・↑に書いたように、
ピコットでおすすめしている本のセレクトが、
知らず知らずのうちに松岡さんから大きな影響を受けていることに、
今更ながら気付き、

直接にお話を伺えることをとても楽しみにしているのです。

 

そこで講演会を前に、

松岡さんの著書や訳書をお浚いしていたところ、

こんな素敵な一冊を見落としていたことに気づきました。

いやいや、うっかりでした~。

 

 

 

くまのビ-ディ-くん

ドン・フリ-マン 作絵 松岡享子 訳 

偕成社 本体¥1,400.

 

 

 

松岡さんが紹介されているお話はたくさんあり、

とても全部にふれる事はできませんが、

わたしは個人的には、

くまのコールテンくんが一番好きです。

 

デパートで、コールテンのくまのぬいぐるみに、

ひと目ぼれした女の子リサ。

ズボンつりのボタンが取れたそのお人形を、

リサは翌朝お小遣いを持って迎えに行きます。

※ 同じく ドン・フリ-マン作絵 松岡享子 です。

 

やっと自分のおうちというものが持てた

コールテンくんの幸福感。

心から可愛く思えるくまと一緒に暮らせる、

女の子、リサの喜び。

そのどちらにも共感できるのは、

もうすっかり大人になった

(というか、なりすぎた・・・)自分の中にも、

 

 ドキドキ 守ってほしい、甘やかされたい小さいわたし

 ドキドキ 誰かを可愛がり守りたい、大人のわたし

 

という二人の自分がいるからでしょう。

コールテンくんの絵本を手にすると、

自分の中のその2人が満たされるのです。

 

さて、今度見つけたもう一冊のくまのえほん。

ビーディーはゼンマイで動く、くまのおもちゃで、

セイヤーくんという男の子が一緒に遊んだり、

ねじを巻いてお世話をしてくれています。

ビーディーはなかなか勇敢な、

あるいは若干無謀なくまだったので、

 

  くまは、       

  ほらあなにすむ  

  ゆうかんな     

  どうぶつ       

 

と、絵本で読んで、

丘の上に自分の洞穴を探しに出かけるのです。

 

雪の中を出かけたビーディー

首尾よく洞穴は見つかりましたが、

勇敢な洞穴暮らしには何かが足りません。

 

そこで、枕も新聞も、

懐中電灯も持ち込んでみたけど、まだ足りない。

洞穴で夜を過ごすのに足りないものは何だろう。

 

と、その時、外で何なにかの物音がして、

折悪しく、

ビーディーのゼンマイのネジは、

そこで切れました。

仰向けにころがったままのビーディー

 

でも、大丈夫ですよ。

それは、ネジを巻く鍵を持ったセイヤーが、

訪ねてきてくれた物音だったのでした。

 

お互いが必要であることを確認しあう、

ビーディー とセイヤーに、

こちらの気持ちも温まります。

 

今度、セイヤーより少し小さい、

そう、ビーディー位の男の子が来てくれたら、

この本をおすすめしてみようと思います。 

 

男の子の成長には、

勇敢なクマが必要なんですよ。

 

 

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