英語教育のその前に・・・ | ほんとうのピコットさん

ほんとうのピコットさん

子どもの本屋「夢文庫ピコット」店主です。
タイトル「ほんとうのピコットさん」については、
http://ameblo.jp/pikot/archive1-200711.html をどうぞ!

雑誌母の友の特集<英語教育>について書いた、前回の記事は、

どうやら社会的関心の高いテーマだったらしく、

大勢の方に見ていただくことができました。

 

今日はそれにもう1点書き加えたいと思います。

 

少し前のことになりますが、

保育園さんから頂いた絵本のご注文で、

こんなことがありました。

愉快なお話や知識系などの絵本リストの中に、

この2冊が入っていたのです。

 

本 まっくろネリノ

本 あおいめくろいめちゃいろのめ

 

このクラスの先生、素敵なセンス!

と、嬉しくなりました。

 

どちらも、お話の中に、

<自分とは姿の違う他者>

あるいは

<他者とは違う姿の自分>

という登場人物がいます。

2冊の書名が並んでいたのを見て、

選ばれた先生の意図を感じたのです。

 

外国の言葉を学ぶのには、

<母国語を獲得している>

ことや、

<伝えたいことを持っている>

ことが大切なのは勿論ですが、

 

そうだ!そうだった!

 

その前に、もう一つあるんですよね。

それは、

容姿や文化をはじめとする、

他社との違いを受容できる経験・・・

ではないでしょうか。

 

子どもの経験は家庭内から、

社会に向けて広がって行きますが、

その過程で、さまざまな体験を積むことで、

多様な文化や価値観を受け入れ、

尊重しあうことを知り、

それが言葉による交流に繋がると思うのです。

 

 

「差別」「いじめ」について教えることを

目的とした絵本もたくさん出されていますが、

子どもたちは敏感で、

薬臭い!と感じたら、

途端に心にバリヤを張りますからね。

 

むしろ、子どもたちに支持され

長年読み継がれてきた絵本の中に、

リクエストされたこの2冊のように、

文化やことば、生活、そして容姿の違いを、

当たり前のこととして描いている作品はたくさんあります。

 

楽しくて心に残るそんな作品全部を、

ここに揚げることはできないので、

今日は、前述の2冊のご紹介にとどめます。

ネリノは46年前、

あおいめくろいめ・・・は37年前の発行です。

 

 

 

 

まっくろネリノ

ヘルガ・ガルラ- 作  矢川澄子 訳

偕成社 本体¥1,000.

1973/07 発行

 

カラフルな羽根を持つ家族の中で、

ネリノだけがまっ黒でした。

ところが、兄弟たちはその美しさゆえ捉えられ、

暗闇で目立たないネリノが救出に向かいます。

自分は自分、これでいいのだ、

という思いに至るネリノに、

小さい読者も共感できる作品です。

 

 

 

 

あおいめくろいめちゃいろのめ

加古里子 作

偕成社  本体¥1,000.

1982/08 発行

 

仲良し三人組が一緒に遊んでいると、

楽しいけれど、事件も次々と起こります・・・。

こちらは悲壮感はありません!(^^)

3人の目の色の違いは、

当たり前の事として描かれています。

お話のテーマは目の色の違いではなく、

遊びに心満たされる子どもの姿なのです。

 

 

この絵本ができた経緯については、

偕成社のホームページに掲載されています。

加古さんによる目の色にまつわる経緯も!

ぜひご覧ください。

↓↓

偕成社HP・編集室より ・・・・→ 2017/01/13

 

 

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