雑誌母の友の特集<英語教育>について書いた、前回の記事は、
どうやら社会的関心の高いテーマだったらしく、
大勢の方に見ていただくことができました。
今日はそれにもう1点書き加えたいと思います。
少し前のことになりますが、
保育園さんから頂いた絵本のご注文で、
こんなことがありました。
愉快なお話や知識系などの絵本リストの中に、
この2冊が入っていたのです。
まっくろネリノ
あおいめくろいめちゃいろのめ
このクラスの先生、素敵なセンス!
と、嬉しくなりました。
どちらも、お話の中に、
<自分とは姿の違う他者>
あるいは
<他者とは違う姿の自分>
という登場人物がいます。
2冊の書名が並んでいたのを見て、
選ばれた先生の意図を感じたのです。
外国の言葉を学ぶのには、
<母国語を獲得している>
ことや、
<伝えたいことを持っている>
ことが大切なのは勿論ですが、
そうだ!そうだった!
その前に、もう一つあるんですよね。
それは、
容姿や文化をはじめとする、
他社との違いを受容できる経験・・・
ではないでしょうか。
子どもの経験は家庭内から、
社会に向けて広がって行きますが、
その過程で、さまざまな体験を積むことで、
多様な文化や価値観を受け入れ、
尊重しあうことを知り、
それが言葉による交流に繋がると思うのです。
「差別」や「いじめ」について教えることを
目的とした絵本もたくさん出されていますが、
子どもたちは敏感で、
薬臭い!と感じたら、
途端に心にバリヤを張りますからね。
むしろ、子どもたちに支持され
長年読み継がれてきた絵本の中に、
リクエストされたこの2冊のように、
文化やことば、生活、そして容姿の違いを、
当たり前のこととして描いている作品はたくさんあります。
楽しくて心に残るそんな作品全部を、
ここに揚げることはできないので、
今日は、前述の2冊のご紹介にとどめます。
ネリノは46年前、
あおいめくろいめ・・・は37年前の発行です。
まっくろネリノ
ヘルガ・ガルラ- 作 矢川澄子 訳
偕成社 本体¥1,000.
1973/07 発行
カラフルな羽根を持つ家族の中で、
ネリノだけがまっ黒でした。
ところが、兄弟たちはその美しさゆえ捉えられ、
暗闇で目立たないネリノが救出に向かいます。
自分は自分、これでいいのだ、
という思いに至るネリノに、
小さい読者も共感できる作品です。
あおいめくろいめちゃいろのめ
加古里子 作
偕成社 本体¥1,000.
1982/08 発行
仲良し三人組が一緒に遊んでいると、
楽しいけれど、事件も次々と起こります・・・。
こちらは悲壮感はありません!(^^)
3人の目の色の違いは、
当たり前の事として描かれています。
お話のテーマは目の色の違いではなく、
遊びに心満たされる子どもの姿なのです。
この絵本ができた経緯については、
偕成社のホームページに掲載されています。
加古さんによる目の色にまつわる経緯も!
ぜひご覧ください。
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偕成社HP・編集室より ・・・・→ 2017/01/13
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