リンドグレーンの築いた広大な子どもの国 | ほんとうのピコットさん

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子どもの本屋「夢文庫ピコット」店主です。
タイトル「ほんとうのピコットさん」については、
http://ameblo.jp/pikot/archive1-200711.html をどうぞ!

やっと、リンドグレーン展に行ってきました。
あ、正確には、
 長くつ下のピッピの世界展
ですけどね。
 
展覧会では、タイトルの通り、
ピッピの挿絵展示に多くのスペースが割かれ、
それから、やかまし村やロッタちゃんへと、
お馴染みの作品が次々に紹介されていました。
 
  ニコニコ  わたし、これが好き!
  笑い泣き  この作品も好き!
  口笛  この主人公大好き!
と嬉しい気分で会場を一巡しました。
 
ビデオやフィギアなどの演出も挟みつつ
挿絵を軸に紹介されていく作品群を見て、
リンドグレーンはなんて、
挿絵画家に恵まれたんだろうと感じました。
作品の完成度の高さ故なのでしょうけれど、
イングリット・ヴァン・ニイマンや
イロン・ヴィークランドをはじめとする、
リンドグレーンの作品を過不足なく描き切る画家たちとの仕事が、
今もわたしたちを、彼女の作り上げた世界へ容易に連れて行ってくれます。
 
リンドグレーンの書いた世界は、
ピッピやかまし村エーミルシリーズ゙などの、
子ども世界そのままの作品群のほかに、
非日常に誘ってくれる
幻想的な
  流れ星 ひみつのいもうと  
流れ星 みまわりこびと
  流れ星 ペ-テルとペトラ(重版未定) 
といった作品があり、
また、子ども時代を終える年代にお勧めしたい
  メモ 山賊のむすめロ-ニャ 
  メモ はるかな国の兄弟
のような青春小説と言える作品もあって、
彼女の作品全部をあわせると、
それはもう、広大で完璧な子どもの国ですね。
 
そして、その子どもの国をより強固にするため、
彼女は機会あるごとに、
反戦、子どもの人権、子供への暴力反対にも、
意思表示をして来たといいます。
 
ドイツ書店協会平和賞授賞式での、
子どもへの暴力反対についてのスピーチは、
  本 暴力は絶対だめ! 
のタイトルで出版されていて、
今も手にすることができますよ。
 
木に登っていたずらっぽく笑っているリンドグレーンの写真も、展示されていましたが、
おばあさんが木に登っていけない理由はない
!
と言っていたように、
彼女は楽しみを見つけるのが得意だったそう。
リンドグレーンは、1905年生まれですが、
それはそれは自由に、自分らしく生きた人であったと聞きます。
その自由さに大いに憧れ、
作品と生き方に、本当に素敵な女性であったと尊敬の思いを持ちます。
 
ピッピやかまし村エーミルには随分と無茶をしでかす主人公が登場しますが、
そこに、間違いを正そうという大人の思惑は一片も見えず、
どの場面を読んでも
 
これは本当に本当だ 拍手
としか思えません。
(と、わたしのなかの子どもが言います。)
この安心して読み浸れるお話世界は、
大人になった今のわたしにも、
自分専用の押し入れの様な安全地帯です。
 
俗世間を離れて
時々リンドグレーンの世界に遊んだら、
わたしも、
木登りを楽しむおばあさんになれるかしら・・・。
 
いや、まずは本屋の仕事をしっかりやろうよ!

ピッピの世界展は、6月16日まで。
まだまだお日にちありますよ。
まだ行かれていなお方はぜひどうぞ!
(店頭にチラシ・割引券があります)
 
 
 
ごたごた荘で馬を持ち上げるピッピ
撮影OKでした
 
 
☆☆☆☆☆ 長くつ下のピッピの世界展
公式サイト pippi-ten.com
   主催;東海テレビ放送
   会場:松坂屋美術館
   ~6/16
 
 
応援よろしく!


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