絵本は感性に訴えてくるもの
そんな表現を、どこかで読みました。
もうずっとずっと前のことで、
いったいどこでその文章に出会ったのか、
前後に何が書かれていたのか記憶にありません。
なので、もともとの趣旨から外れて、
今はわたしの中でわたし流に膨らんでいるのかもしれませんが、
でも、確かに絵本を読んでいると、
理論的に納得するよりも先に感情が揺さぶられる、
という経験を度々します。
そういうこと、ありませんか?
どんな時代にどのように生きている人がいて、などの、
物語の背景を理解するより先に、
主人公の気持ちが、
いきなり自分の中に湧き上がってくるという、
不思議な経験です。
まだ姪っ子が小さい頃、
こどものともバックナンバーにあった「イカロスのつばさ」を
よんで!
と言ってきたことがありました。
難しすぎるよ、と言っても、、
頑固な2歳児(^^)、どうしてもこの絵本をと引きません。
それならと読み始めて、
しばらくして、ふと顔を見ると泣いていました。
今まで機嫌よくしていたのにどうしたの?
どこか痛いの?
と確かめたのですが、
涙の理由は本人にも説明できませんでした。
ちょうど、イカロスの翼のロウが溶けて、
落下しようという場面を読んでいたところだったので、
そこに描かれた彼の失望感や悲しみが、
姪っ子の感性に反映したのだろうと、後で気づきました。
まさに、絵本は、
古代ギリシアも宇宙空間も知らない
2歳児の感性を揺さぶったのですね。
ところで、本屋であるわたしの主な仕事は、
お客様のお好みに合う絵本を一緒にお探しすることです。
自分の好みだってよくわからないのに、
(わたしの好みはいつも↑ぐにゃぐにゃと動いています。)
人様のお好みを探すわけなので、
手品のようにいきなり当たりとはいきません。
これはどうでしょう?
とまず1冊お見せした時のお客様の様子から、
次の1冊を差し出し・・・
ご感想聞いてまた別の1冊を手渡し・・・
という具合に何作品かご覧いただき、
その過程でめでたくも核心に触れた絵本があった場合は、
これです!
これにします!
と、言って頂くことができます。
勿論、ご要望を伺いながら、ざっくりの予想は立てるんですよ。
例えば、取っかかりはこんな絵本から始めてみます。
“じぶんで~!”の主張が始まる頃の小さい人なら、これ。
わたしの
三浦太郎 文・絵
こぐま社 本体¥800.
新しいメンバーを迎えるご家族には、こちらを。
みんなあかちゃんだった
鈴木まもる 文・絵
小峰書店 本体¥1、300.
理系男子へのプレゼントなら、これはどうかな。
リンドバーグ
ト-ベン・ク-ルマン 文・絵 金原瑞人 訳
ブロンズ新社 本体¥2,200.
といった具合に、候補作を順次見ていただきます。
ところが、当然のことながら、(←ここ大事!)
おすすめした絵本で決まるとは限りません。
だんだん確信に近づいたという手応えを感じた辺りで、
全然違うものに決着することも、ままあります。
それ、全然話題に上がっていなかった絵本なんですけど~。
でもね、
お客様がその本を「好き」と感じたのなら、
それは良い出会いを演出できたと思うようにします。
そこに行くまでに何冊も手渡して、あらすじもお話したけど、
それはそれとして。
絵本は理屈で買っていただくものではない。
感性で選んでいただきたい。
気持ちにぴったり来るものが、本日の“買い”です!
本屋はお手伝いをしますが、
結局は、
お客様の感性で選んでいただけるのが嬉しいです。
お子さんと来店されたママさんたちも、
絵本選びでは葛藤もおありでしょう。(おそらく・・・)
読んで欲しいと思う絵本と全然違う本を、
これにする!
と抱きしめて離さない・・・。
ありますよね~。
そんな時には、
この絵本がこの子の感性を揺すぶったかな?
と、「イカロスのつばさ」を思い出してくださいね。
ママが読ませたい絵本は、
ママの絵本として別にお求めください。
あれま
最後はピコットの、
プラス1冊おすすめ大キャンペーンとなりました。
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