サービス残業。
この言葉は、おかしい。
サービスという単語は、外来語として日本語になった時点で大きく意味が変わってしまった単語の一つです。
そもそも、英語の Service という単語には、無料という意味合いはありません。
経済活動にて供給される、テレビやパソコンや野菜や肉など、目に見える有形のモノである「財」に対して、交通機関とか金融機関とか病院とか介護とか、目に見えない無形のコトが「サービス」と呼ばれるのです。
「サービス」には、対価が支払われるのが前提です。
ところが、何故か日本では、「サービス」=「無料」という定義付けがなされていて、サービス残業という不可解な言葉が生まれたわけですね。
よって、日本で言うところの、サービス残業を英語にそのまま置き換えて、
Service Overtime と直訳したとすると、そもそも「労働者が会社で働くコト」=「労働力を提供するコト」=「Service」 なのであって、「Overtime」 も、もちろん「Service」 の一環であるので、英語話者からすると、Service Overtimeというのは、全くワケのわからない言葉となるのです。
サービス残業を英語で表現するとしたら、Unpaid overtime が一般的でしょうか。
もしくは、ちょっとイヤミっぽく、Slavery overtime (奴隷残業)とか。
英語における「奴隷」「 slave/slavery」 という単語は、重労働を強制するという意味もさることながら、対価を払わず無償労働を強制するのという意味合いが大きいです。
つまり英語では、お金を払わず働く事=奴隷なのですね。
日本の、終身雇用制度というニンジンを目の前に吊り下げられて、家畜のように働かされているサラリーマンの事を揶揄しして「社畜」もしくは「現代の奴隷制度」なんて言ったりしますが、「労働のキツさ」という面だけではなく、「適切な対価を受け取っていない」という面でも、日本もサラリーマンは奴隷に近いかもしれません。
特に、無償で残業するのは、「奴隷労働」にほかなりません。
「サービス残業」なんて、ちょっと聞こえが良い名前をつけてるから、無償残業が蔓延するのです。
でもそれって、やりがい搾取だと思うんですよね。
ハッキリきっぱり、「奴隷残業」と呼べば、雇用主も従業員も、無償残業に抵抗感がうまれるのではないでしょうか。
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