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インベスターZに学ぶクリニック開業の考え方

 

話題の投資マンガ「インベスターZ」を読んだ。

 

投資の話ばかりと思いきや、投資以外の話題も豊富。

ベンチャーや個人商店のビジネスの話。生命保険や不動産、iPS細胞から重粒子線まで。

 

これらの中で11巻の個人商店の話は、もしかするとクリニック開業にも役立つんじゃないかと感じた。

 

投資を始めた中学生・さくらの母親が「喫茶店の経営を始める」と言い出した。

そんな個人起業にまつわるエピソードである。

インベスターZに学ぶ起業戦略

 

一般的に商売は規模の拡大が目標のように思われている。

しかし個人商店では、その考えは間違っているのだという。

 

個人商店の経営で望ましいのは3Sと居抜き開業である。

 

1. スリム経営戦略

 

個人商店はね、スリム、シンプル、スロー、この3Sが一番

インベスターZの解説図

 

  • スリム 極力少人数で低コスト
  • シンプル 扱う品数が最小限
  • スロー あまり忙しくない

 

個人商店で最重要なのはコストを抑えることだという。

スタッフや設備を最小限にして費用を抑える。

 

コストをかけて地域一番店を目指す方向性では消耗戦になり、いずれ疲弊し経営は苦しくなってしまう。

 インベスターZの感想の図

たとえばラーメン屋を始めるとする。競争を勝ち抜くために他店との差別化を図り材料にこだわり、人件費などのコストもかけて、行列のできる地域一番店を目指す。

しかしその経営方針では激しいシェアの奪い合いに自分から飛び込むことになる。一時はトップに立つことができたとしても消耗戦をくり返すうちに、どんどん経営は苦しくなっていく。

 

これは美容クリニック業界にもいえるのかも。

他のクリニックとの差別化を図るために、コストをかけて最新機器を導入する。一時はトップに立つことができても消耗戦をくり返すうちに、経営は苦しくなっていく。

 

スリム経営戦略から考えると、美容クリニックの開業には注意が必要かもしれない。

 

2. 居抜き起業

 

インベスターZで勧められているのは「居抜き起業」。

居抜き起業

 

居抜き起業は初期投資がかからない分、失敗が少ないという。

居抜き起業

閉店した飲食店の内装や設備が残っているので、簡単な手直しだけですぐに開店できる賃借物件のこと。

 

クリニックでも居抜き開業はあるようだ。さらに似たような形態としてM&Aという方法もある。

 

  • 居抜き開業⇒閉院したクリニックの設備を引き継ぐ
  • M&A⇒営業中のクリニックのカルテ、スタッフを引き継ぐ

 

一般的に「居抜き物件」は、設備や医療機器をそのまま引き継げますが、既に閉院をした院又は閉院期限が決まっており、スタッフや患者様の引継ぎが無いケースが多い承継の仕方です。

 

一方、「M&A物件」は、まだ院長が現役で診療を行っており、患者様が付いています。そのため、カルテやスタッフを丸ごと引き継げる点から営業権を評価して、譲渡価格に上乗せされるため、居抜き案件より高くなります。

事業承継

 

どちらがよいかは一長一短。

歯科では居抜き開業は結構メジャーになっているようだが、皮膚科では中々難しいかもしれない。

やるとしたらM&Aによる事業継承だろうか。

しかし患者が引き継げるのはよいが、古株スタッフもついてくるのが問題ではある。

 

スリム開業戦略を考える

 

ホリエモンも著書で初期投資を抑えることの重要性を語っている。

少しでも安くしたいなら初期投資を抑える

最近新しくできたお店に行くと「なんでこんなところにお金をかけるの!?」と思うことが多い。

厨房機器やインテリアに最初からお金をかけすぎだ。

借金も多くなるだろうから、それがギリギリの経営に出てしまう。

 

クリニック開業でもこの法則は成り立つのかもしれない。

 

クリニックの収益構造は以下の通りである。

>>【図解】『開業医の年収』を計算する方法|勤務医の年収と比較する

開業医の年収の計算法

(収益)-(費用)-(借金返済)=(年収)

 

収益は低くても、費用と借金返済をスリムにできれば年収は確保できる。

 

一般的に必要とされる開業資金は以下の通り。

開業に必要な資金

  • 戸建て開業で1億2千万
  • テナント開業で5千万

クリニック開業の準備費用と期間はどれくらいか

 

でももっと工夫すれば初期投資は減らせるんじゃないだろうか。

 

調べてみると、わずか1500万円で開業した先生もいるようだ。

最初の年度をどうにか切り抜けていく見通しがつき、総額ほぼ1500万円で開業できることとなりました。

 

これは在宅医療専門のクリニックで、診察室が応接室のような簡易的なものだったそうなので、通常のクリニックではここまで低くはならないと思うが。

 

コンサルタント会社の出版しているクリニック開業本には、初期投資をなるべく抑える方法はあまり書かれていない。

でもなるべくお金をかけない開業法は選択肢として考えておいてもいいのかもしれない。

年商1億円のクリニックにするのは難しいかもしれないけど。

商店街を歩いてみればわかるように、ほとんどの企業は土地や建物を借りてビジネスしている。

賃貸より所有が得ならば、彼らは不動産を購入して商売を始めるだろう。

バブル期にはそんな企業も多かったが、ダイエーもそごうもみんな潰れてしまった。

臆病者のための億万長者入門

 

▼マンガで学ぶクリニック開業▼

「がんばれ!猫山先生」から学ぶクリニック開業の実際
日本医事新報で連載中の四コマ漫画「がんばれ!猫山先生」。 内科医・猫山先生をはじめとしたコミカルなキャラクター達が織りなす、ほのぼの医療漫画 ……ではなく実際はかなりシュールでブラックな医療漫画で...

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