庭に野菜の種を蒔こうかな、って思って見渡すと、
ああ、こんな隅っこにも太陽は降り注いでいたのか、と氣が付いた。
その場所は、建物の陰になっているから、勝手に日陰と決めていた。
身近なのに、全然見えていない事がある。
決めつけて、見ようともしていない事がある。
草陰で、トカゲが死んでいた。
しっぽの根元がざっくり何かに切られていた。
もしかしたら、
息子がスコップで地面をザクザクやっていたから、
その時に氣が付かずに巻き込まれたのかも。。。
息子は、そんなつもりもなく傷つけてしまったのだろう。
そういうことは人間同士のやり取りでもよくあるな、と思いながら、
穴を掘って埋葬した。
辺りでは、蟻達がたかり始めている。
小さな家の周りにも、世界があった。
そういう事がとても嬉しいし楽しい。
インターネットしか見ないと、
世界が不幸で悲劇的だけれど、
家の庭は健全な宇宙だ。
命が循環している。
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