■筆者が作曲・編曲した楽曲群をYouTubeにて配信中です♪■
――――――――――
(つづき…)
ただ今、2大イベントの仕込みの真っ最中ですので、ブログの更新が遅れて申し訳ないです(苦笑)いずれまた、その様子もアップいたします♪
(※Eテレ「日曜美術館」3/3放送分より)
さて、そもそもは絵師だった小原古邨(おばらこそん)は、海外での絵の売れ行きに制作が追い付かず、苦肉の策として選択したのが「版画」だったそうです。
日本ではマイナーなのに、海外で売れるって、粋なアーティストですよね♪
例えばこのような原画を…
版画として擦ると、ここまで複製できてしまうらしいのです!(驚愕)
それだけでもスゴイのですが、何と小原氏は、作品をより味わい深く仕上げるために、いくつかの技法を盛り込みました。
例えばこちらの「カラス」ですが、光を当てると羽根にリアルな模様が浮かび上がってきます。
これは「正面摺り(しょうめんずり)」といって、摺り面の裏側と、型の面を合わせ、擦り面の表側をこすることによって、摩擦で型どおりのツヤを生み出す技法だそうです。
次は木々に積もった雪ですが…
光を当てると、このように立体的になります!
これは「きめ出し」といって、浮かび上がらせたい型の上に紙を敷いて、その型をこすり出す技法によるものだそうです。まるで彫刻の「浮き彫り」に相当しますね♪
こちらの「セミ」は、光を当てると…
このように光ります。光源の角度によっても、光り具合が異なるので、まるでセミが生きて、うごめいているかのように見えます。これは雲母岩を削った粉を混ぜ込む「雲母擦り(うんもずり)」という技法の賜だそうです。
以上、これらの技法は、実に凝ってますよねー♪
ご参考までにこちらは、ヨーロッパの産業革命以降に、入手可能となった「鮮やかなピンク」を用いたものです♪
今回非常に興味深かったのは、小原氏が残した版を元に、現代の摺師が版画を再現するプロセスでした!
版は全21面、使用した色は全30色ほどだといいますから、微妙な色合いの表現に期待してしまいます♪
(※以降、抜粋プロセスです)
摺師さんが苦労されたのは、意外にも何と、左下の三日月の周囲のグラデーションで、「夜空」ではなく「水面」と解釈してのことだそうです。素人の私は、言われなかったら、いえ、言われてもピンときませんでしたが(苦笑)
それでは、2大イベントの1つを昇華して参ります!