久美子(左)「タイ料理店でのパーティーキャンセル~。ひどい週末だわ」
あすか(右)「元気出して久美子ちゃん。ゲームもあるし、家で静かにしていれば結果はついてくるよ。2日間の我慢じゃん」
久美子「ゲームはもう朝からやって疲れたわよ。テレビも同じ話題ばかりだし、つまんない!何かイベント行きたい」
あすか「今、どこも店もイベントも休みだよ」
アルフレッド「お嘆きのところ申し上げにくいのですが、春休み中は外出をお控えください」
三人「えーっ?」
久美子「冗談でしょ?」
アルフレッド「冗談ではありません。この想定外の危機を乗り越えるには並の覚悟ではいけません。徹底して籠もりましょう。特にお嬢様はエヴァンズ様から幼い姉妹をお預かりするバイト中でもありますので。一層気をつけてください」
久美子(左)「春休みいっぱい……」
あすか(右)「その間動画観たり、本を読んだり、部屋を掃除したり、出来ることたくさんあるよ。ちび達のための新しい世界史や日本史も仕入れないといけないし」
久美子「あんたはいいかもしれないけど、あたしはこれ以上こんな生活イヤよ」
百鬼丸「(あすかちゃん、奥に素敵なものがあります、がうがう)」
ビーちゃん「(何か幸せを呼びそうなものがありますワン)」
あすか「あ、リサイクルショップで買ったラジカセ。この前バラして修理したんだよな」
テープの歌「ぼくら♪離ればなれになろうとも♪ク~ラ~ス仲間は、いつまで~も~♪」
あすか「そうそう、テープごと売っててこんな歌入ってたんだよね」
百鬼丸「(心和む歌です、がうがう)」
久美子(左)「あんたあたしがこんなんで喜ぶと思ってるの?」
あすか(右)「んじゃ、プランB行こう」
コノエ「あすかちゃん、久美子ちゃん、ひさしぶりね」
久美子「おばあちゃん……あれ?さわれない、CG?」
コノエ「絵画教室も生徒さん来なくて、作品も行き詰まっちゃって退屈だったわ。立体スカイプで3Dの映像作れるから、ふたりとまるで本当に一緒にいるみたいな気分になれるのね。一緒に飲んだり食べたり出来ないのが残念だけど、顔が見られてお話が出来るのが嬉しいわ」
あすか「ツヨシくんとソージツと3人で朝までかかって作ったからね、立体映像交換機」
コノエ「それにしても古い曲かけてるのね、ボヘミアン・ラプソディーにしてくれない?」
あすか「はい?」
コノエ「私、辛気くさいのイヤ。もっとノれるのがいいわ」
あすか「りょーかい」
久美子「立体映像交換機って……おばあちゃんちはどうやってセットしたの?」
あすか「ドローンで届けた。現物はソージツに送ってもらった。簡単な組み立てでそこにいる人の映像こっちに送れるの」
久美子「あすかっち!なんでそれ先に教えてくれなかったの?会いたい人いっぱいいるのに」
あすか「だって久美子ちゃんに話すと遊んでばっかになるでしょ。私もおばあちゃんに会いたかったし。さ、さ、座って」
コノエ「お祖母ちゃんじゃない方がよかったかしら?」
久美子「ううん、そんなことないわ。歓迎するわ。ただ突然で……」
コノエ「あすかちゃんはいつかイグ・ノーベル賞取れるかもねえ」
あすか「うっ。ノーベル文学賞が欲しいのに」
そして。
アルフレッド「今月どうしてこんなに電気代が高いんでしょう?」
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バーチャル映像はもう一般化しているはずですが、市場に出回ってるのはゲームぐらいなので、あすかっち達は自分で作っちゃったのでした。
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