久美子(右)「ねえあすかっち、吸血鬼っていると思う?」
あすか(左)「居たら面白いかなとは思うけど、いるわけがない」
久美子(右)「実はタケルくんの他いつものメンバーに、吸血鬼狩りに誘われてるの。外人墓地のあたりに吸血鬼が出るっていうから。あすかっちも来ない?今日はほら、こういうのに強いねぎっちょがいないから恐いのよ」
あすか(左)「私は自宅待機しててほしいって言われてるんだよ、妙なことが起こったらスマホに電話するからその時助けてって。私が一緒に行くと幽霊も妖怪も出てこないからって」
久美子「えー!なにそれ」
あすか「信じてない人間の前には現れないんだって」
久美子(右)「分かったわ、行ってくる」
あすか(左)「がんばってね」
あすか「しかしみんな怪談が好きだねぇ」
あすか「思いのほか、早かったね。出たの?吸血鬼」
久美子ちゃんの声「今、家の前まで逃げてきたの。みんな咬まれて、追いかけられて、とにかく助けて」
あすか「どうせコウモリかなにかだよ」
あすか「さーて、吸血鬼とやら、ご対面だ」
百鬼丸「がうがう!」
魔物らしきものの声「あっ、お前は……ギャアアア!か、身体が……」
あすかっちの声「なんだ?みんなぼーっとして……」
百鬼丸「がうがうがう!」
タケル(中央)「あれ?俺たちいままでどうしてたんだろ」
ツヨシ(右)「吸血鬼に見つめられたらぼーっとなって……」
あすか(左)「その吸血鬼とやらはご対面した途端、塵になったよ。お前らまたみんな人をからかおうとして変なオブジェ作ってきたろ」
久美子(奥)「本当よ、あすかっち。あすかっちと出くわした途端に塵になって散ってしまったけど目を見ると操られてしまうの。だから必死にここまで逃げてきたのよ」
あすか「それが本当だったとして、その吸血鬼の灰でこの部屋汚れまくったから迷惑だ。片付けていってもらおう」
久美子(右)「魔物を信じない力ってすごいのねー、あの恐ろしい吸血鬼が一瞬で……」
あすか(左)「居たら面白いとは思ってるんだけどね。どれもみなインチキばかりで信用に値しない。きみたちはきっと暗示にかかったんだよ。あとでねぎっちょにこの現象がどういうことか教えてもらおう。あと、ねぎっちょのような専門家が居ない時はキモダメシ行っちゃダメだよ、みんな暗示にかかりやすいみたいだから」
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お化けは会いたいと思っている人のところへ現れるそうです。あすかっちは心の奥では会いたいとは思っていないのかもしれません。
昨日電子書籍で「吸血姫美夕・朔」をDLして読んだら吸血鬼ものを書いてみたくなりました。でも、このコミックのように神秘的に美しく描きたかったのに、そうはなりませんでした。このジャンルはもうちょっと勉強しなければいけませんね。
自分の中でどんな吸血鬼ものを描きたいのかきちんと整頓して、いつか耽美は無理でも「こんな吸血鬼に会ってみたい」と思ってもらえるようなものを書いてみたいと思います。
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