ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

日本市場の株式時価総額700兆円に迫り、バフェット指標はバブル後の最高水準 ~日本市場の概況~

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今週の日本の株価や金利をごく簡単に確認し、その後、株式の「割安割高の目安」になりそうな5つの指標で定点観測する記事。

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日経平均

f:id:yukimatu-tousi:20201128095546p:plain※出所:マーケット|SBI証券

11.27は「26645」で前週比「+4.4%」。

10月末は「22977」で11月月間では「+16.0」と絶好調。

日経平均の直近高値は今週の「26706」。

日本10年債利回り

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※出所:日本 10年 | 日本 10年 債券利回りより作成

11.27は約「0.03%」(前週末は「0.02%」)で前週よりやや上昇。

ドル/円

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※出所:USD JPY | アメリカドル 日本円 相場情報 - Investing.com

11.27は1ドル「104.1」円。前週は「103.9」円で今週はやや円安。

2019年は「1ドル=104.97112.41円」のレンジ。

今年も概ねレンジ内ですが、今はわずかにレンジ外。

米ドル指数は前週「92.4」。

今週は「91.8」でドル安続く。

<米ドル指数:ここ1週間>

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※出所:米ドル指数先物 - Investing.com 日本

5つの指標

日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>

信用買い残 <信用取引における買い方の残高>

東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>

信用評価損益率 <日本市場。信用買いの損益>

日経平均ボラティリティー・インデックス<日経平均版の恐怖指数>

日本バフェット指標

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※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳 ※期間:1985年1月末~2020年8月末

11.27の日本バフェット指標は「1.33」で前週より大きく上昇し、1989年頃のバブル(過去最高は「1.45」)以降では最高水準。

直近の10年移動平均は「0.91」であり、今は平均より約46%高い水準。

一つの目安に過ぎませんが、長期的観点からは日本株は

割高?

と推測。

直近の月末値ピークは2018年1月の「1.30」(このときは10年移動平均から約68%上方かい離)。

11.27の日本の時価総額は約「698.3兆円」(全市場の合計値)。

確認できている範囲では、2018.1.23の736.8兆円が現時点での最大値。

現在は最大値を5.2%下回っています。

久々に700兆円に接近。

IMFの2020年10月改定の日本の名目GDPデータを今回は採用しました。

2020年のGDP推計値が大幅に減少したため、先週と比べてバフェット指標は大きく上昇しています。

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※出所:日本取引所グループ 世界経済のネタ帳 より作成

日本バフェット指標について詳しくはコチラ↓

日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>

信用買い残

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※出所:トレーダーズ・ウェブより管理者作成 ※期間2001年6月1日~2020年3
月27

2020.11.20 24288億円(約2.4兆円)。

前週比-58億円。

直近ピークは2018.3.23の約3.7兆円。

水準としては長期平均の「2.4兆円」付近で

ふつう?

と推測。

<2018.10.26以降の推移・月末の概算値と直近数値など>

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※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成

信用買い残について詳しくはコチラ↓

信用買い残 <信用取引における買い方の残高>

東証一部PBR 

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※出所:その他統計資料 | 日本取引所グループのデータより管理者作成 ※グラフの期間:1999年12月末~2020年9
月末

2020年10月末の東証一部PBRは「1.1」倍(前月比-0.1)。

2020年は1月は「1.2」倍。

2~4月は「1.0」倍、5~8月は「1.1」倍、9月は「1.2」倍に上昇。

10月は「1.1」倍に戻る。

11月は1.3倍くらいになるでしょうか。

直近ピークは2018年1月末の「1.5」。

長期平均は「1.1」で水準としては

ふつう?

と推測。

東証一部PBRについて詳しくはコチラ↓

東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>

信用評価損益率

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※単位:% ※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成 ※グラフ期間:2001.6.1~2020.6.5

11.27は「-12.85」。

前週の「-12.40」よりやや悪化。

上記期間の長期平均は約「-11」であり投資家心理は

ふつう~やや不安?

と推測。

信用評価損益率について詳しくはコチラ↓

信用評価損益率 <日本市場。信用買い残高の損益>

日経平均ボラティリティー・インデックス

★日経平均ボラティリティー・インデックスのメモ

2000年11月からの

・長期平均:24.9

・長期中央値:23.4

・最低値:11.82(2017.7月)

・最大値:91.45(2008年10月)

・個人的には30以上で「株価の割安圏」を示唆しやすい指標と考えます。

<ここ2年のチャート:日経平均を併記>

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※出所:恐怖指数(VIX 日経VI VSTOXX) 日経平均比較チャートより作成

11.27は「21.58」。前週の「21.70」より低下。

日経平均VIの長期中央値は「23.4」であり、投資家心理は

ふつう~やや安心?

と推測。

※参考:最近のリスクオフ局面の最大値(概算値)。

2018.2月:38

2018.10月:31

2018.12月:33

2020.3月:61

恐怖指数について詳しくはコチラ↓

www.yukimatu-value.com

現時点での日本市場の割高割安、5つの指標からの推測、まとめ

あくまで個人的な判断ですが、現時点で各指標が示唆する株式の割安、割高の判断をまとめます。

★日本バフェット指標⇒割高?

★信用買い残⇒ふつう?

★東証一部PBR⇒ふつう?

★信用評価損益率⇒割安ではない?

★日経平均ボラティリティー・インデックス⇒割安ではない?

上記から日本株式の水準は

「割高?」

と推測。

また

★日銀の金融政策:緩和的(ポジティブ要因?)

★日本の景気 :よくない?(ネガティブ要因?)

と推測。

株価水準、金融政策、景気動向から考え、現時点で日本株の投資タイミングに関して「ややネガティブ~ネガティブ」。

リスク資産への配分を控えめにしたポートフォリオで、ちょこちょこリバランスしながら投資継続が無難か。

※個人の直感、感想です。未来は誰にも予知できません。投資は自己判断、自己責任で 

バブル期と「今」のデータ比較

※出所:日経平均、TOPIX⇒Yahoo!ファイナンス、東証REIT指数⇒SBI証券、貸し出し態度判断DI(中小企業)⇒主要時系列統計データ表

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今週はリスクオン。

●日本バフェット指標、日本の時価総額:高水準

●TOPIX:2018年1月高値「1911」の「-6.5%」の水準

●東証リート指数:過熱感は感じられず

日銀ETF買い

2018年は年間で約6.5兆円、2019年は約4.4兆円の買い出動。

下記サイトによれば今週は0回の出動。

今年トータルでは約6.9兆円購入。

※参照サイト:日銀ETF買い入れ結果https://nikkeiyosoku.com/boj_etf/

※設備ETFの購入は換算せず

ドル建て日経平均

<ドル建て日経平均:ここ5年>

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※出所:ドル建て日経平均 (日経平均 ドル換算)より作成 ※数値は概算値

2020.11.27のドル建て日経平均は「256.25」で前週より上昇。

コロナ前の直近ピークは約「219」。

コロナ後の上げ相場のピークは約「256」(2020.11.27)。

高値更新中。

あとがき

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日本市場全体の株式時価総額は約700兆円。

この水準は

①2017年12月~2018年1月頃

②2018年9月頃

と並んで高水準。

日経平均株価指数は一つの日本株の状態を示唆する指標ですが、一部の個別銘柄の影響を大きく受けやすい指標であり、個人的にはTOPIXや日本市場全体の時価総額の方が、日本市場全体をみるときにはより有用と感じる指標。

①②のときのような過熱感を今は感じませんが、大型優良株や指数中心に大きな資金が流入しているもよう。

コロナ禍で日本の名目GDPが大幅に縮小する中(IMFの推計では2019⇒2020年は「553.8兆円」⇒「526.4兆円」に減少)、2017年12月~2018年1月頃の世界的な好景気のピーク付近の時価総額を記録するという、日本だけでなく世界的な

新型コロナ不況、金融緩和、財政出動

というキーワードなしでは語れない稀有な状況か。

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