プロテスタントは、もともと福音派のはず

プロテスタントはもともと、聖書に書かれている内容はすべて本当だ、という考えから生まれた宗派です。カトリック教会が聖書に書かれていないことを言いだしたので、ルターやカルヴァンが反抗したわけです。

「免罪符を買えば天国に行けるとは聖書に書いていない」「ローマ教皇が神の代理人だとは聖書に書かれていない。そもそも聖書は聖職者の存在を認めていない」「結婚が神との契約だとは聖書には書かれていない。だから離婚は出来るはずだ」「同性愛を行っていたソドムの町は神の怒りによって破壊された、と旧約聖書に書いてある。だから同性愛は認められない」という具合です。

従ってプロテスタントは本来全員が福音派（聖書に書かれている内容はすべて真実だ、と信じている人たち）のはずで、福音派でないプロテスタントのほうがおかしいのです。ところがプロテスタントの中でも歴史の古い宗派に中には、「聖書には比喩もある」という解釈をしているところがでてきました。福音派は、そのようなややこしい解釈をせずに、「聖書を素直に読もう」という考え方です。

メガ・チャーチの牧師たちは分かりやすい説教を心がけているので、プロテスタントの基本である「聖書に帰れ。聖書に書かれていることはすべて本当なのだ」と説教をしているのです。メガ・チャーチには既存の宗派に属していないのが多いというのも、その辺に理由がありそうです。

それを聞いた一般の信者たちも、「ああ、そうなんだ」と思うだけで、それほど深刻に考えているわけではないと思います。彼らに向かって「あなたは本当に聖書に書かれていることはすべて真実だと思っているのか」と聞けば、「イエス」と公式見解どおりの返事をするということです。福音派の信者と言っても普通の人が多く、特に狂信的な人はそれほど多くはないはずです。

近年アメリカで福音派が大幅に増えています。では昔は福音派が少なかったのかと言えば、そうではありません。素朴に聖書を信じている人がたくさんいて、それがむしろ常識でした。大覚醒運動の高まりと共にまじめなプロテスタントが増えたため、自動的に福音派が増えるという現象が起きただけです。