今回は昨夜テレビで放映された「ドクター・ストレンジ」(2016年)です。
天才外科医のスティーヴン・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)は不注意で交通事故を起こし大怪我を負う。ストレンジは医師の道にこだわり資産を投じて手術を繰り返すが両手の機能が戻らない。絶望した彼は有り金をはたいてカトマンズへ旅立ち、魔術師エンシェント・ワン(ティルダ・スィントン)に最後の希望を託して弟子入りする。・・・
"New Doctor Strange Poster" Photo by AntMan3001
source: https://flic.kr/p/KnSbk5
優秀で努力家にありがちですが、ストレンジは傲慢なんですね。彼はいつも主語が「自分」。ストレンジの世界に他人はいないも同然なのです。
ストレンジは名声を得るようなオペしかしたがらない医師で、いけ好かない男なんですね。
自分の不注意でクラッシュして医師の道を閉ざされたストレンジですが、エンシェント・ワンと出会って新たなアイデンティティーを見つけた後は持ち前の探究心で頭角を現します。
平家物語に「奢れる者久しからず」という一説がありますが、滅びの要因とは奢り、傲慢さですね。
傲慢なストレンジはかつての恋人クリスティーン(レイチェル・マクアダムス)から贈られた腕時計に愛のメッセージが彫ってあることにさえ気づかなかったのです。
おそらく初めてでしょう、涙を流してクリスティーンに弱さを見せたストレンジ。
傲慢な者が礼を知るには、我を捨て他を知ること。
そのためにまずは自分を愛してくれる希少な人物に謝罪と感謝を伝えることだと思いますね。
"New Doctor Strange Trailer!" Photo by AntMan3001
source: https://flic.kr/p/KnSbLW
個人的にマーベルものは食傷気味なのですが、ベネディクト・カンバーバッチやティルダ・スウィントンが好きなので昨夜初めて観ました。
デジャブ感があったのは、主人公がヒマラヤへ救いを求めて旅するくだりが「バットマン・ビギンス」、街が魔法で変化する表現は「インセプション」を彷彿とさせるからでしょう。
脚本の甘さが少し残念でしたが、CGで出来ないことはないレベルにまで技術が発達しましたね。
「ジュラシック・パーク」(1993年)で躍動する恐竜を観てビックリしたのが懐かしいですが、本作はその比ではなく、美しく驚異的な映像でした。
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