今回は「ブレードランナー」等のフィリップ・K・ディックによる原作を映画化した「トータル・リコール」(2012年)のお話を。シュワちゃん版のリメイクですね。
近未来、富裕層が住むヨーロッパの一部・ブリテン連邦は真反対に位置する労働者の居住区・コロニーを支配していた。
労働者のクエイド(コリン・ファレル)は記憶を買って別の人生を体験するためリコール社を訪れる。
その場で突然警官隊に襲撃されたクエイドは別人のような能力でその場を脱してアパートに帰るが、今度は妻のローリー(ケイト・ベッキンセイル)がクエイドをなぜか襲う。・・・
"Portada Total Recall" Photo by Jonathan E.S.A.
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どうやらクエイドは別の人間の記憶を植え付けられたらしいのです。
自分はダグラス・クエイド?それとも連邦政府の凄腕エージェント、カール・ハウザー?・・・
逃走を手助けしたメリーナ(ジェシカ・ビール)に連れられてレジスタンスのリーダー・マサイアス(ビル・ナイ)に会ったクエイドは「真の自分を知るために過去を思い出したい」と言います。
マサイアスは「本当の自分が何者か皆追い求めるが・・・答えは過去ではなく現在にある。それが真実だ」と答える。
クエイドがそれでも「過去が真実を教えてくれるだろう?」と食い下がると、マサイアスは「過去は主観に過ぎない。我々にはそれが真実に見える。だが心は今を生きようとする。心の中に答えはある」と言うのです。
「自分とは何者か?」-アイデンティティーや自分らしさを求めて人は過去にその答えを求めようとしますが、過去とはいわばファンタジー。
なぜなら、過去は自らの心によって主観的に歪曲され意味づけられているからです。
そして人は今現在を生きる存在です。大切なのもこの瞬間。
マサイアスの言うように、自分とは何者かという問いの答えも、今現在の己の心の中にある。そう感じます。
そして今現在の自分で良ければそれで良く、そうであるならば「本当の自分は?」等と考える必要もないのでは・・・と思いますね。
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