今回は恋愛映画の秀作「眺めのいい部屋」(1986年)です。
時は1907年。イギリス人の令嬢ルーシー(ヘレナ・ボナム=カーター)は従姉のシャーロット(マギー・スミス)と共にフィレンツェを訪れ、ペンション「ベルトリーニ」に宿泊するが、美しいアルノ河に面した部屋でないことにガッカリ。するとエマソン(デンホルム・エリオット)が息子のジョージ(ジュリアン・サンズ)と共に泊っている眺めのいい部屋との交換を申し出る。・・・
"看得见风景的房间" Photo by jdxyw
source: https://flic.kr/p/8oc3pd
階級意識から自由で情熱的なジョージに惹かれるルーシー。それに気づいたシャーロットはルーシーを連れて帰国してしまい、ルーシーは教養高いシシル(ダニエル・デイ=ルイス)と婚約。
家柄的にも釣り合いが申し分ない結婚相手にみえるシシル。でもある日ルーシーはジョージと偶然再会するのです。
さて、ルーシーの恋の行方は?・・・というお話。
「恋や結婚相手はどんな人が良いの?」という悩ましい問いがありますよね。
それは自分を絵画のように眺める人物?それとも横並びで美しい眺めを一緒に観る人物?・・・
「Every Breath You Take 見つめていたい」というポリスの名曲がありましたが、「見つめられるのも良いけれど、一緒に同じ方向を向いていたい。その視線の先が美しい眺めなら最高では・・・」。
そう思わされる「眺めのいい部屋」なんですよね。
あとですね、「聖なる池での水浴び」というシーンがあります。ルーシーの弟フレディとジョージ、牧師の3人が全裸で無邪気に水遊びするのです。
で、そこにルーシー達が通りかかって3人はあたふた逃げ隠れ、ルーシーはクスッと笑う。
家柄や階級、学歴もそうですけど、それらは例えるなら衣服のようなもの。裸になれば人間は皆同じ、ということですね。
階級意識の強いイギリスを舞台にした本作のもう一つのメッセージなのです。
ルネッサンス絵画のような美しい映像も素晴らしい本作なのですよ。
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