今回はアガサ・クリスティ原作の法廷劇「情婦」(1958年)です。敏腕弁護士のウィルフレッド卿(チャールズ・ロートン)は生死をさまよう重病から回復して看護師ミス・プリムソル(エルザ・ランチェスター)の付き添いで退院する。すぐに金持ちの未亡人の殺害容疑者レナード(タイロン・パワー)の弁護を依頼されるが、証拠はレナードに不利なものばかり。彼のアリバイを証言できるのはドイツ人妻クリスティーネ(マレーネ・ディートリヒ)だけだが・・・。
"250. prosecution_1_1" Photo by petcor80
source: https://flic.kr/p/v26kwF
「クリスティーネは何か企んでいる」とウィルフレッド卿は感じて証人として彼女を呼ばないこととしますが、検察側がクリスティーネを証人喚問してしまうのです。
クリスティーネはなんとレナードに偽証を強要された、と彼のアリバイを否定する。で、レナード有罪に増々傾きますが、彼女の狙いが読めないのです。
すごくおもしろかったですね。法廷ものでこれだけおもしろい話はちょっと思いつかないくらい。
誰が誰をかばい、騙しているのか。結局人間って騙し合いなのか。そうなるととても面倒なわけで。
騙すにも動機は様々。愛の場合もあれば利己的な動機の場合もある。
法廷ものはそういった男女の愛憎を凝縮したところがありますね。
ウィルフレッド卿のキャラクターがすごく良い。ユーモラスで人情家でね。
ミス・プリムソルは言うことを聞かない患者のウィルフレッド卿に口うるさく、卿はうっとおしく彼女を扱うのです。
この関係がまたコミカルで、かつさいごのオチも爽快なんですね。
監督・脚本はサスペンスとコメディを撮らせたら一流のビリー・ワイルダー。納得なんですね。
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