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2019年11月12日火曜日

(連載10)10-1「いのち」の生まれる世界

10章 生命世界



10-1「いのち」の生まれる世界



有機物は「失われる物質」である。
温度や湿度、環境のわずかな変化によって、
有機物の分子結合はすぐに変形し消失してしまう。


一般的に有機物には
無機物ほどの安定した結合方法がない。
けれども有機物は
そのこわれやすい構造のために、
多くの多様性にもとんだ結合配置をもつものである。


そしてかつての地球上にあらわれた有機物にも、
無限大へとむかう「世界原理」は働いた。
(無は無限大と同一であり
無限大は「広がり」と同じもの、つまりここでは多様性の増加である)


原始海洋の波うちぎわに集められた有機物は、
その波間のかたわらで幾重にもかさなり
より強い分子体を模索する。
それでも失われ続ける有機物は、
次々と運ばれてくる新しい有機物によって
順次補てんされていく。


この「失われる物質」が
「より失われにくい物質」となるために作り出された構造、
そこに「生命の原型」がある。


「自らの失われる有機物のかわりに
外部の有機物を取りこむ」という構造は、
「生きのびようとする有機物」と
「生きさせようとする有機物」との概念を一つに結ぶ。


その有機物の混沌の中で
やがて「生命の核」ともなる形が作り出される。
この特筆すべき現象は
有機物が有機物の中に入り込むという
有機物の2重構造が創り出されたことである。


生命世界は物質世界の「部分」として存在している。
その為に物質世界の原理とその特性は
生命世界にも同じものとして発現する。


すなわち生命の構造が
「物質世界(原子)の存在する構図」を模倣したとすれば、
「重なりあった有機物」と「その有機物の抜け落ちた空間」が
同じ有機物内に同時に生まれたはずである。


重なりあった有機物は「生命の起源」として、
同じ種類の他の有機物をひきよせる力学をもつ。


ここでも「有機物の抜け落ちた空間」が
同じ有機物を求める
「有機物の重力」を生みだしたのだ。


生命世界の重力、それが命の持つ「本能」である。
こうして「同じ有機物への力学」を保持する、
有機物の2重螺旋構造が出現する。


これが最初の「生命」である。


(つまり我々が本能と認識する力学は
物質における重力の構造と同じものであり、
その原理は
有機物の繋がりの中でその内側へと弾き出された有機物の「空間」が
その外側に同じ有機物を求める構造学的力学として発現している。

このように全ての世界(次元世界)が同じ物理法則を持つこと、
これが次元世界のおりなす「一つの世界」の在り方であり
等価によって成り立つ我々の世界の仕組みである。)


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