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2019年12月10日火曜日

(連載10)10-4本能の原型



本能は、生命原理の原因であるのと同時に
その結果である。
本能から生命の全てが始まるのではなく、
世界の仕組みとして「本能は形成されている」。


例えば重力は、物理法則の原因である。
だが同時にそれは物理法則の結果として生まれている。
重力から法則がつくられたのではなく
世界の仕組みの中で重力も形成されたのだ。


つまりこれまでの我々が別々のものとして捉え
そこから始めてきた学問は、
実は同じひとつの現象である。




姿、カタチののない実体とその連鎖
即ち「範囲を持たない点と、点の連鎖である線が
ひとつの同じものである」世界の大原理のもとで
それぞれが同じひとつの力学である。

この力学こそが世界の本体であり、
拡大するエネルギーである。


実体の連鎖は
無限大の広がりをあらゆる概念の中に持つ完全無である。
この完全無を創り出す実体(あるのにないもの)
「存在する無」である。






ではなぜ生命世界にも、
この「重力の概念」はもたらされたのだろうか。


それは有機物が「失われる物質」であることに由来する。
有機物が「失われる物質」であるからこそ、
有機物にはほかの有機物を求める能力(力学)が発現する。


これは「重なった有機物をもつ為」に
「失われた(求める)有機物の空間」がその周りに出現し、
その「失われた有機物の空間」が元の状態に戻ろうとして
内外側の同じ有機物を集める、という命の構造である。
それが「イノチの原型」である。


そして「命」自身もまた「失われる概念」である。
「失われる命」が無限大に広がるためには、
「他の命」の存在が不可欠である。
すなわち命が「失われる概念」であるからこそ、
命はほかの命を求め、
新しい「命」を生みだすこともできたのである。


従って
「生命世界のもつ重力」と「拡大するための世界原理」が、
命に備わる「本能」の全てである。


こうして作られた遺伝子が
「求める有機物」であるからこそ、
遺伝子は他の有機物と結合し
この遺伝子をまもるために「生命体」は構築される。


おそらく遺伝子には
周辺の有機物を自らの内部に取り込んで、
自らの外殻にその有機物を再構築する能力がある。
これが環境に合わせることの出来る
生命の適応力である。


そして遺伝子が「失われる概念」であるからこそ、
遺伝子には新しい遺伝子を創りだせる能力もある。

連鎖と拡大。

そのために生命世界における「遺伝子」の発現は、
生命により強い「重力の概念」を付加し、
生命世界に「生きのこるため」の、
あるいは「子孫をのこすため」の発達した「本能」を与える。


これも生命世界が
物質世界をその構成要素として誕生するために、
物質世界の力学の根源「空間の復元力」が
生命世界にも同様に発現した結果である。

それは「ひとつの世界」の証である。

いうならば「空間の復元力」は、
無が無でありつづけようとする「無の絶対的な力学」である。


4次元世界の「時間の概念」が、
5次元物質世界にもあたえた「失われる」という構造は、
物質世界の全ての空間にも「存在するという力学」を発現させる。


そして生命世界も
5次元物質世界をその構成要素としてふくむために、
「失われる概念」が「その概念を求める力」として
全ての生命は「生命の重力(本能)」をやどしたのだ。



そしてその全ては
「無」が「完全無」であるために、
「実在する無の概念」が「実在する完全無の概念」となるための
「無の無限大の連鎖」である。




世界に力学はひとつしかない。


無が連鎖して完全無であること。
ただそれだけなのだ。




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