年末ドル高、短期金利急騰の火消しにFRBは躍起

米国が展開するグローバル企業は年末決算を控え、国外での売上げを本国へ送還(レパトリエーション)するためのドル需要が12月に高まるといわれています。
クリスマス商戦に重なるこの時期は現金需要が高まることもあって、例年12月はドル高圧力が強まるとされています。




金利の魅力は薄れても「ドル不足」の懸念

今年もドル高傾向です。日本にとっては円安を後押しする格好となり、円安を好感する株式市場には追い風です。
9月の106円台から現在108~109円台へと円安が進みました。日経平均株価は10月後半から年初来高値を更新し続け11月になって2万3,000円台を回復しています。株式の好調は、米中貿易摩擦の部分合意への期待感や景況の底打ち感が原動力となっていますが、やはり円安基調によるところも大きいです。

ただ目下、過度なドル高による混乱が懸念されています。
7、9、10月と3回にわたり米国では短期金利(FFレート)の誘導目標を引き下げましたことで、金利面でのドルの魅力は衰えているはずなのにドル高は依然として継続しています。
金利が低いのにドル高なのは、需要に対して「ドルが不足」しているからとの見方が強まっています。

 

ドル不足が顕在化したのは9月のFOMC開催直前です。

9/18日経新聞『米短期金利に上昇圧力、FRB苦悩4日連続資金供給』によれば、9/18のFOMCでFFレートの誘導目標を「2.00~2.25%」から「1.75~2.00%」へ引き下げたにもかかわらず、3%を上回る取引が頻発していました。FF金利上昇の起点となったのが、米国の銀行が短期資金を調達するうえで主流となっているレポ取引の金利上昇で9/17に一時的に10%に急上昇する異常事態にありました。

 

異常事態の要因として、この記事で以下の点をあげています。

1)国債の発行や法人税の納付が重なり、銀行システムから一時的に資金が大きく減っていた
2)FRBが2年ほど前から資産圧縮により、金融機関の余剰資金も減っていた
3)2)の余剰資金は、金融規制のリスク回避からFRBの準備預金に回されがちで、銀行間市場での運用が細っている

 

オバマ政権下の2010年に成立したドッド・フランク法に盛り込まれた”ボルガールール”により、金融規制が厳しくなったことが3)の拍車をかけているようです。現状では法律を改定して緩和の方向にあり、リーマンショックへの反省は軽視されがちです。2)の資産圧縮は従来から予定されていたとおり9月に終了です。

国債の発行や法人税の納付は四半期に一度やってくる要因です。まさにこの12月、その壁に再びぶち当たっています。日経新聞11/15『年末のドル不足を予防、NY連銀 オペ拡充で金利抑制』によれば、すでに資金供給オペの準備をFRBは表明しています。

FRBは量的緩和(QE)の再開とは決していいませんが、銀行間市場に資金供給を行い短期金利急騰の火消しで躍起です。

 

まとめ

9月からはじまった株高がおもいのほか持続しています。押し目待ちに押し目なし、ご多分に漏れず自分もしかりです。。ゴルディロックス(適温相場)がやってきているのかもしれません。