黒柴スポーツ新聞

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積極補強に執念で勝て~ソフトバンク内川と長谷川の代打起用を

元中日チェン年俸3000万円って何だろなと思いつつもスルーしていたが、あら、ロッテ入団やん。こりゃ井口監督は本気だなと危機感が芽生えてきた。勝利、逆転優勝への執念。これは手強いぞと不安になってきた。ソフトバンクにはこれに対抗するくらいの執念があるだろうか。

だってもう秋分の日である。この時期に新外国人を獲得する球団があっただろうか。ちなみに楽天も広島からDJ・ジョンソンを獲得。ちょっとでも成績を上げようと諦めていないのは好感を持つ。いやいや、ソフトバンク与党の黒柴スポーツ新聞としてはライバル球団たちを誉めてばかりもいられない。同じことをやってほしいわけではないが、そのくらいの執念を見せないと足元をすくわれかねない。悪い事例ならある。2016年は日本ハムが最大11.5ゲーム差を逆転。2019年は西武が最大8.5ゲーム差を逆転。シーズン終盤の逆転はままあることだ。それが今年はまだ2位ロッテとわずか1.5ゲーム差。対ロッテは苦戦しているだけにもはや差はないと言っていい。

追う立場だからかもしれないが、ロッテはやることは全部やるぞと言わんばかり。先日も巨人から澤村を獲得したばかりだ。一度「死んだ」男は強い。澤村は拾ってもらったロッテのために必死で腕を振るに決まっている。こういう選手は厄介だ。ではソフトバンクはどう対処すればよいのか……と思ったら東スポWebにこんな記事があった。積極補強ロッテに負けない! 鷹にも最終兵器ズラリ 森ヘッド「明石、内川、長谷川が待機」。そう、ソフトバンクには心強いベテランがいる。

明石、内川、長谷川。いずれも素晴らしい選手である。だが内川、長谷川は厳しい立ち位置と見た。特に内川。稀代のヒットメーカーが今季いまだに1軍の打席なし。となると考えたくもないのだが、内川とて大きな決断をせざるを得ないのではないか。かつてソフトバンクは日本一になった翌日に功労者・攝津に戦力外通告をした。内川に同じことができるだろうか。このあたりは昨シーズンの阪神鳥谷敬と重なる部分がある。結果的に鳥谷は越年してロッテ入りし、そればかりか1軍で試合に出ているからよかったのかもしれないが、内川はそこまでするのかどうか。2年続けての2軍扱いは内川に対してできない、またやってはいけないことに思える。内川はそのくらい厳しい立場なのだから、終盤戦に1軍昇格があるとしたら実質、現役続行への試験的な打席となろう。長谷川もそれに近い。

しかしそれはソフトバンクの弱点補完の意味では間違っていない。というのも現状、ソフトバンクは代打が手薄だ。すっと浮かぶのは川島慶三だが川島の代打はチャンスメイク型。しぶとく四球を選ぶかヒットで出塁するタイプだ。いわゆる代打の神様的な選手は打点が付く。そういう選手が今いない。そこへ内川なり長谷川を持っていきたい。確かに率は低かろう。しかし築き上げた顔と経験がある。長谷川は2011年クライマックスシリーズで涌井から起死回生の同点タイムリー(私は現地で生観戦していて歓喜の絶叫した)、昨シーズンもクライマックスファイナルステージ第1戦で同点タイムリーと何度ソフトバンクを救ってきたことか。内川も2017年クライマックスファイナルステージでホームランを4戦連発。ネットには短期決戦の鬼という動画まである。長谷川、内川とも実績は十分だ。

もちろんかつてと今は違う。だからこそ彼らは今2軍にいるのだが、森ヘッドが具体的に「明石、内川、長谷川」と名前を挙げるくらいだからリップサービスではないと見た。ライバル球団が積極補強で逆転優勝を狙うなら、ソフトバンクはベテランの現役への執着、執念で迎え撃つ。私は内川、長谷川の執念が見たい。ソフトバンク優勝のためにも執念を見せて限界説を払拭してもらいたい。


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