『目的を持って施術することが「治療」』の続き 】
 

痛み・症状を取る。病気を治す。

治療といばイメージしてしまうことですが、それだけが治療ではありません。
 

患者は痛みなどの症状を治してほしいから来院します。

もちろん、こちらもどんな症状か?どんなことで悩んでいるのかを訪ねます。
 

その痛みが無くなればそれでOK、という人もいます。

しかし全ての人がそうだとは限りません。
 

その症状で自分がどれだけ苦しい思いをしているのか、それを理解してほしいという人もいます。
 

 

痛み・症状に囚われない

例えば目の前に腰が痛い患者がいます。

腰が痛いからといって、腰だけをマッサージしたり鍼を刺したりするだけでは治療とはいえません。

必ずしも痛いところが原因とは限りません。

腰痛の原因が足首だったりすることもあります。
 

技術力が上がってくると、痛み・症状のある部分だけを治療することはなくなります。

逆に痛み・症状のある部分は触らず、その部分以外の治療だけで治せるようになったりもします。
 

患者は素人です。

痛み・症状がある部分こそが悪いのであって、他の痛みのないところが悪いなんて思っていません。

患者はその痛みに囚われています。極端にいうと痛みさえなくれば幸せになれると考えています。
 

私たち専門家は痛み・症状だけに囚われてはいけません。

私たちは専門家として、痛いところだけが悪いわけではないということを伝えていかなくてはいけません。痛みに囚われている患者を救い出してあげる義務があります。
 

しかし、これだけではまだ「人」を診ているとはいえません。
 

 

患者は痛み・症状がある部分も触ってほしい

例えば腰痛。その腰痛の原因は腰ではないことも多いです。

もっと細かくいうと、腰方形筋が痛い。押しても痛い。でもその原因は腰方形筋にはない場合が多いです。
 

そのような場合、腰方形筋に触らなくても痛みを治せることはあります。

しかし患者は腰方形筋が痛いのが悩みなのです。素人だから他の部分が原因だなんて夢にも思っていません。

専門家として本当の原因を教えてあげることは大事です。再発防止にもなります。患者としてもそれはありがたいと思っています。
 

でも痛い腰を触ってほしいのです。
 

「他に原因があるのはわかったけど、この痛い腰にも原因があるかもしれないじゃないですか。だってこんなに痛いんですよ!」
 

患者は感情をもった「人」です。

単なる「痛み・症状」をもつ人体模型ではありません。
 

もちろん、患部を施術することで余計に悪くなるような場合なら、専門家としてそれは伝えないといけませんし施術するべきではありません。
 

しかし、あえて施術する必要はない、患部は施術しなくても治せるという症状はあります。

また患部を触らずに治したほうがカッコイイ、神の手っぽかったりもします。

それで喜んでくれる患者ならそれでもいいのです。
 

でもそうではなく、こちらの都合だけで治療を押しつけるのは「人」を診ているとはいえないと思います。

痛み・症状を治せばそれでいいというわけではないのです。
 

筋骨格など構造的に体を全体的に診る。

生理学的にも考えて、ひとつの生命体として診る。

そして思考や感情を慮(おもんぱか)って「人」として診る。
 

今後、治療院の在り方とはこうなっていくと思っています。

 

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