町田ゼルビア 1-1 東京ヴェルディ 次の目標を優勝とするために (2018 第42節)
J2第42節ヴェルディ戦のスタメンです。今シーズン集大成としたい両チームですがゼルビアは孝司が不在で、ヴェルディはドウグラス・ヴィエイラや泉澤仁が不在など質で殴りに行けるピースを欠きました。それでもお互いの目標に向かい120%で戦い抜いた選手達。素晴らしい試合を見せてくれたことに敬意を表します。
試合は(上位3チーム全てに言えますが)何と勝てばJ2優勝だったと言う、やっぱりゼルビアは最後の最後までドキドキさせてくれるぜ!な展開でした。
内容に関しては一緒に観戦したりゅうさんが僕が3日連続で飲んでいる隙に素晴らしいものを書いてくれているので、そちらをご覧いたただければと思います。
またヴェルディサポのtadさんもTwitter上で詳しく分析をしているので、この方のツイートを追ってみてください。
ヴェルディの守備
— tad (@1969_tad) 2018年11月18日
片サイドに人数が偏った超圧縮システムの町田は基本的にボール保持したら縦方向へパスを繋いでいく。PA近くまで深く浸入してなかで仕留めることが多いためヴェルディは3バックを採用してWB+1CBの2枚の数的同数でPA内にも2CBを置いて対応していく。3バックは井林が基点で左右に動く。 pic.twitter.com/CCjjKTmXzP
注目の大一番。仙台サポさん、柏サポさん達と共に観戦しました。その方々に、憧れていたタオルマフラーのレンタル移籍を行う事が出来たのですが優勝して皆で振り回したかったです(´༎ຶོρ༎ຶོ`)
SPLYZA Teams による統計
動画分析ツール「SPLYZA Teams」を活用したタグ統計です。今回は試合の局面についての集計データを参考にして試合を考察します。
※局面についてはここでは説明しませんが、勘違いしそうな点だけ。「攻撃」は自陣・敵陣問わず守→攻の切り替えが完了した以降のフェーズを指します。「守備」はその逆です。
前半
コンパクトスタイルのゼルビアvsポジショナルプレーのヴェルディ。局面の数字はどのように出るのか。
前半はゼルビアの方が優位に進めていた印象ですが局面の数字だけ見るとヴェルディ側セットプレー(スローイン含む)や守備フェーズが多いですね。
ちなみにゼルビアの前半シュート数は8本だそうです。
攻撃
インプレー(敵)、GKがキャッチしたり流れの中でロストしたのは半数。
ゼルビアはスローインを含めたセットプレーを生命線としボールが外に出ることを厭わないチーム。そのための素早い縦志向であり横圧縮攻撃であるとも言えます。約3割ほどセットプレーからの二次攻撃へと繋げていました。
しかし攻撃フェーズで決定機を作れていたかと言えば出来ていませんでした。
ネガティブ トランジション
ネガトラから奪取に繋げられたのは約3割。ポゼッション能力の高いヴェルディに対して被攻撃を5割(インプレー(敵)で終了した割合)に抑えることが出来たのは良いと思います。
守備
前半は守備フェーズに移行した回数は37。攻撃の25回と比べると多く感じます。ネガトラでインプレー(敵)により守備に移行した回数は12でしたので他のフェーズから守備に移される事が多かったのが分かります。
守備フェーズの回数は多かったのですが被シュート数は1本。これは守備ブロックが機能していたことを表していると思います。りゅうさんのブログである通り、前半はヴェルディのビルドアップからの攻撃方法を限定できたためです。
ポジティブ トランジション
守備から攻撃へ切り替えるのは7割近く成功していました。ヴェルディの5割に比べれば多いです。どの位置からポジトラを開始したか統計していませんが、僕でもそういうのも出せるのが動画タグ付けの強みです。
セットプレー(町田)
スローインからのアタックも含めた数です。CKでは惜しいシーンもありましたが決定機に繋がる数は少なかったです。
セットプレー(東京V)
ヴェルディのセットプレーですが極端に「インプレー(敵)」の数が多いです。ゴールキックやスローインからビルドアップに繋げる展開が多かったためです。つまりゼルビアが守備フェーズへの移行が多かった理由はヴェルディのセットプレーによるものです。
こういった箇所にゼルビアvsポジショナルプレーの構図が表れました。
後半
後半の局面統計データです。シュート数はお互い7本ずつの様です。前半と比べて守備の割合が増えています。確かに45-75分まではヴェルディが優勢で、その時間帯ではヴェルディはシュート6本、ゼルビアは3本と差をつけられていました。
攻撃
攻撃回数は前半とほぼ同じです。得点はCKの跳ね返りからの二次攻撃でした。
セカンドボールを拾い奥山ー裕大でパス交換した際に井上潮音がパスコースを遮断しながらプレスするのですが奥山がそのラインを外してパスを受け取れたのはまず良かったです。
その後、奥山は縦パスを出そうとしますが井上潮音がブロック。ここはあまり良くなかったです。しかしこぼれ球を奥山が拾い右サイドに展開できた事により、ロメロの得意のマイナスクロスから大谷のゴールが生まれました。ラッキーに近い同点弾だと思います。勝利への執念が込められたゴールでした。
ネガティブ トランジション
後半はネガトラの数自体は減っていますがゼルビアがボールをロストしたらほぼ守備フェーズに移されてしまいました。ヴェルディはビルドアップに加えてサイドからの素早い攻撃を織り交ぜてゼルビアのプレスを回避していました。
守備
守備の回数が増えた理由は、ネガトラフェーズでヴェルディのビルドアップを阻止できなくなった事や引き続きセットプレーからの移行が多かった事が原因です。
失点シーンも自陣でヴェルディのスローインからの攻撃によるものでした。エリア内の侵入を警戒してゼルビアの4-4ブロックは引いて守りますがヴェルディは後方へのスローを選択します。
プレッシングは間に合いません。局所的にドリアン1人で3人を相手にする形となります。そしてサイドチェンジをしたのは平智広、ポイントは左利きである事。体の向きを変えずに、つまり右利きより早いタイミングで右方向にロングボールを繰り出せるので、ドリアン1人では阻止する事が出来ません。
今シーズンはこの様にスローインから後方に展開→サイドチェンジ→崩されて失点というシーンに既視感を覚えます。
その他には、後半は強度の問題上、自陣ブロック守備(引いて守る)の機会が増えます。そのため辛うじてクリアする場面も増え、相手のセットプレーからピンチが増える悪循環が発生しているのが数字からも読み取れます。
ポジティブ トランジション
ポジトラは後半も6.5割をキープしていますが守備フェーズが終了してもヴェルディのセットプレーから始まる事が増えたためポジトラの回数が減っています。
ゼルビアのポジトラは素早い縦志向がメインであり、攻撃フェーズへの移行は相手を押し戻す事とほぼほぼ同じです。それが試合の全体を通して6割以上成功してれば失点が少ないのもうなずけます。
セットプレー(町田)
見てくださいスローインを含めているにも関わらずゼルビアボールとして継続できたのは3.5割ほどと言う数字を。相手ボールになっても奪えば良いと言うゲームモデルでなければこんな数字出ないと思います。恐ろしい…。
セットプレー(東京V)
でもヴェルディからボールを奪えませんでした(;´д`)
チーム・サポーター共に上を目指す
優勝への道のりは厳しい…。色々とタラレバな試合があったと思いますが、ヴェルディ戦を踏まえて言えば、洗練された3バック+GKでのビルドアップパターンを阻止する事が出来ませんでした。また自陣での被スローインを後方に展開されてからのサイドチェンジから失点するのがパターン化していました。
この2点は改善が必要です。相手に応じて第1プレッシャーラインの人数を2→3に増やす。ゾーン守備やロングカウンターの質を高める事などが求められるのではないでしょうか。相馬監督の指揮が来シーズンも決まりましたのでチームもサポーターも更に上を目指す気持ちで魔境J2に臨みたいです。
「サポーターも」としたのは僕としてもゼルビアを強くするために何か出来るんじゃないかと考えているからです。今年のゼルビア戦士の活躍は絶対に風化させない!次の目標に必ず繋げさせましょう!
選手・スタッフの皆さん。ファン・サポーターの皆さん。1年間本当にお疲れ様でした。僕には愛媛戦のマッチレビューが残ってますので引き続き書きたいと思います。今回はここまで。次の記事でお会いしましょう‼️それでは⭐️
※試合動画はDAZN、YouTubeのゼルビア公式ハイライトより引用しています
ゼルビアブログもJ1の舞台を目指します!
ゼルビアブログを世界へ!!
励みになるのでSNS拡散やクリック応援よろしくお願いします。