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フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

番外編427. 新型肺炎、京都府の事情 その4.

2020年04月12日 | analysis

 

 一昨日の報道では、京都府が緊急事態宣言を国に要請していた。一番わからないのが感染経路不明者が8割といるする報道だが、サーベリングできない理由があきらかにされていない。おそらく近県、他県からの観光者か学生の拡大ルートだとは推測できるが、論拠不明である。

 そこで、手元のデータで考察してみた。

 表1は、これまでこのブログでも発表してきた、厚生労働省がまとめているデータに基づき、政令指定都市別感染者数累計値の当該日:当該日の前日、とを増減率で示したものである。ここで私は2つの指標を設けた、感染患者数累計値が200人以上の自治体、増減率が110%を越える感染者数、とである。この2つの基準を超えているものを赤字で示した。

 先ず感染患者数累積値が200人以上こえている自治体が、北海道、埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪、兵庫の8都道府県。200人というラインは、データから見て下位と数値上のひらきの差が現時点で大きいと判断した。

 次いで今日4月6日〜8日の3日間で、感染者数累計値増減率が110%を越えている自治体が、宮城、埼玉、千葉、東京、神奈川、静岡、京都、大阪、兵庫、広島、岡山、福岡の12都府県。これも110%というラインの前後の値のひらきから判断し、このあたりで2群にデータがわけられるという理由で設定したものである。いずれのラインも本日時点でのラインであり固定的なものではない。

 以上2つの基準を満たす自治体が、埼玉、千葉、東京、神奈川、大阪の4都府県となる。もちろんこれは国の仕分ける基準が報道されていないので、あくまでこのブログ上の仕分けである。実際には、現在7都府県が緊急警戒宣言都市に指定されている。京都市は感染者数が今日時点で200人以下だが、これを越すと国の警戒宣言に該当してくる可能性が高くなる。

 つまり京都府は要警戒都市ではある。また増減率でみると110%以下の日が続いている愛知県も同様である。京都府は感染患者累積値で基準以下、増減率で基準値以上。この傾向が逆なのが愛知県で、感染患者数で基準値超え、増減率で基準値以下、となる。したがって、どちらかの値を超えれば、国の非常事態宣言を受けることになるというのが、このブログでの判断である。

 京都市民としては、どちらかの指標が基準値以下でとどまって欲しいと思われる。つまりギリギリで踏ん張れといいたい。

 そうなるとこのデータにでていない深刻な京都の状況、おそらくサーベリングできない感染者数が8割に登ったというのが要請理由だが、それは、データが公開されていないので、このブログでは考察できない。

京都新聞4月11日WEB版の社説は以下のように述べている。

「私権制限も伴う緊急事態宣言は、感染拡大防止へ最後の手段である。その対象地域に加わることの意味や理由、暮らしへの影響などについて、知事は具体的に語らなければならない。京都での感染がどんな現状にあるのか、科学的根拠を示す必要もある。同じく対象地域入りを求めた愛知県の動きに便乗したとみなされれば、府民の理解は得られまい。」

 私は、北海道が独自の宣言で一定の効果をみていることを考えれば、数値から見れば府独自の宣言の可能性があると考えている。ただし宣言には、いつから、いつまでとする期間の提示が必要である。終わりの日時が見えているからこそ、府民も努力しようという行動に結びつく。今後の感染者数増加次第で国の緊急事態宣言を受け入れる可能性もあるだろうけど・・・。それは京都が、大阪府、兵庫県との近接県だから関西の圏域で規制した方が効果的だとする別の考え方の導入だろう。

 また「緊急事態と同等」とする府知事の言葉は意味不明。同等なら緊急事態宣言を既に受けて入れているはずだし、そうしていないのであれば同等ではない。そんな論旨のない言葉を行政が発するあたりに、京都市民の共通認識なのだけど、いいかげんな行政の街京都、という言葉を思い出す。

 府知事といい京都市長といい、どうも愛知県の申請に便乗したとする報道の見方もあり、私にいわせれば腰がすわっていないと感じられる。今日時点での考察になるが、もし発令するならば北海道のように、そして既に愛知県が発令したように、自治体としての緊急事態宣言だろう。先ずは、週明けの京都府の感染状況をみてみたいと思われる。

 

表1. 政令指定都市別感染患者累積数

依拠:厚生労働省WEBサイト、新型コロナウィルス感染症の状況と厚生労働省の対応について、国外の発生状況、国内における都道府県別の患者報告数

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10521.html

 

京都市清水寺

SONYα6000、SEL18-135mm/F3.5-5.6OSS

ISO100,焦点距離24mm,露出補正0,f/5.6,1/1000

 

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