バリエーション山行同人

藪岩、沢等を中心としたバリエーションルートを中心とした山行を志向しています。

西上州 毛無岩(2017.12.10)

2017-12-10 21:59:22 | 

低山の藪岩山に最適な冬晴れの週末。久々に西上州を訪ねることにし、なぜか後回しになっていた毛無岩にようやくトライすることにした。

早朝の関越道、上信道の下仁田ICを経て、南牧村道場(どうじょう)集落にやや遅めの到着(8:20)。山と高原地図に記された駐車位置を目指すが、道幅が狭く中型車ではやや厳しい。無理をせず途中で引き返し、集落入口のバス停手前の路肩に駐車。


▼道場バス停の手前に駐車。バス停の時刻表(下仁田駅行き)を眺めると、なんと金曜のみ運行で、しかも9時と11時の2便のみ。

 

▼鄙びた山村の風景が心地よい

 

一時、台風で壊滅状態となり登山地図上からも消えていた沢コースを目指す。浄水場を右に見て、林道を辿っていくと、ほどなく河床に出て、何度か渡渉を繰り返す。落葉で踏み跡が非常に識別しにくくなっており、何度か右往左往する。道は河床から1段上がった山腹斜面にほぼ水平に付けられているが、小沢を横切る辺りは道型が崩壊している箇所が多く、神経を使う箇所が多かった。所々、毛無岩を示す金属板の道標(前橋山遊会など)や、赤リボン、赤テープ、黄色テープ、樹木に巻かれた赤テープを道を見失う度に遠望、凝視して探すこと多し。テープ類はかなり古いものがほとんどだが、その間隔が絶妙で、あまり多いとルート探しの興をそがれる感じがするし、少なすぎるともっと登行に時間を要したであろう。

▼山と高原地図(2017年版)にもその表記のある造林小屋

 

▼造林小屋のすぐ先の沢沿いから遠望した毛無岩。頂稜部に連なる小岩峰が足の指のような形にも見える。

 

▼植林帯の踏み跡を辿ったり、沢沿いを通過する等、道の様子が次々変化していくが、何となく道の付き方が予感できるようになり、まもなく稜線の鞍部に向けて左上する踏み跡にぶつかり、トンピシャで目指す稜線上の峠である相沢越に到着(10:50)。相沢方面を示す道標(壊れかけ)もあったが、北側に降りる踏み跡は発見できなかった。

 

▼相沢越から東に稜線を辿り、急登を経て樹林を抜けるといきなり、毛無岩がそっくと屹立する姿が眼に飛び込んできた。左斜面の登路に雪が付いているのが分かる。

 

▼尾根は非常に痩せているが、周囲の樹林にホールドを得ながら、薄い積雪を踏みながら(凍結箇所が無かったのが幸い)、毛無岩頂上直下を進む。

 

▼毛無岩の山頂部は非常に狭く、南北面はいずれも切れ落ちている(特に削ぎ落とされた南面は凄い)。写真は辿りし、西方向を眺めたところ(12:10)。浅間山が白い。

 

▼南方向には、不規則な方向に頂上を突き出した立岩が目立つ。見下ろした谷は我々が辿ってきた経路。この他、八ヶ岳や奥秩父、榛名、赤城など四周の遠望を満喫できた。今回、山行中に出会ったのは、千ケ平分岐辺りで毛無岩方面から降りてきた男性1人のみであった。

 

毛無岩山頂を後に、東に続く縦走路を辿るが、消え入りそうな細いトレイルに小さなアップダウン(足の指)がかなり有った。途中1箇所、薄い雪に覆われた急斜面を持参した30mロープで懸垂下降して下った。毛無岩東側のコルでヘアピンカーブして折り返し、南面の尾根を目指す。毛無岩南面を西にトラバースする道が分岐するはずだが、今回、その道を見出すことはなぜかできなかった。尾根コースの下りは当初、単調なくだりを想定していたが、全くそうでなく、やせた岩稜、急な砂地の下降、やせた尾根の乗越など、非常に変化に富んでおり、古いテープ類があるものの、よく注意しないと変な方向に導かれることが何度かあった。距離を稼げる平坦な尾根道もあったが、断続的な急下降が続くため、滑落に注意が必要だ。

▼尾根コースの下りから振り返った毛無岩

 

▼テープは確認したのだが、雪の付いた稜線をそのまま進んでしまった。道は、稜線の西側をへつるように付けられていた。

 

▼立岩、北立岩を見上げるくらいに降りてきた。

 

東側に赤松が群生した、尾根が平らになった箇所(「赤松の休み場」と地図上には表記があるが、現地にはそのような表示は無かった)から東に降りるのだが、大量の枯葉落葉で道筋が分からない。尾根から東向きに正対し、左下にトラバースして少し降りて行くとテープを発見。その後、急降下。かなり下ってようやく河床に到達。その後も樹林の中をアップダウンを繰り返し、樹間から対岸に建造物が眺められ、踏み跡を辿ると本流の大堰堤の上にひょっこり出てしまった。山と高原地図には、山の神辺りの対岸に出るような表記になっていたが、堰堤工事の影響か、実際とは異なっているようだ。

▼堰堤上の本流の河原への降り口

 

▼その対岸には、登るときにその脇を通った浄水場の建物があったので、そこを強引に登り(しかし赤リボンは有った)、林道に出た。

 

その後、ようやく駐車場所に戻り(13:20)、変化に富んだ西上州の藪岩山を満喫した。

 



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