(犬と桜と八ヶ岳)
八ヶ岳南麓標高960メートルの我が家周辺ではようやく桜が咲き始めたところだが、ちょっと下の方は満開だというので花見に出かけた。気温は23℃、暖かい日である。
まずは北の杜カントリー近くの蕪(かぶら)の桜並木へ(「蕪」は地名)。
(ソメイヨシノのアーチ)
目が眩むような桜並木を走っていくと、サングラスをした怪しげなジジイが「こっちこっち」とクルマを空地へ誘導する。いたいけな観光客を食い物にしようという魂胆だろうが、そうは問屋がおろさない。
「オレはカネ払わないよ!」
「ふ。カネはいらないよ」
「は?」
聞けばこの地のソメイヨシノ(約40本)は個人の所有で、年老いた所有者に代わって地元の有志が保全活動を行っているそうだ。
「署名してってよ。市に出すからさ」
大勢の観光客が押し寄せているので市も観光資源としていくばくかの助成をしろ、と陳情するつもりだと東京弁でいう。なんと高邁なおじさま、私は喜んで署名した。
(桜越しの八ヶ岳 権現岳のフォルムが我が家周辺で見るのとは違う)
蕪は八ヶ岳もよいが、甲斐駒ヶ岳も捨てがたい。「八ヶ岳ゆるふわ日記」を名乗っている手前ナンですが、ここだけの話私は八ヶ岳より甲斐駒が好きだ。
(うまく撮れていなかったので「ほくとナビ」からの借りものです)
続いて我が家の定番谷戸城址へ(谷戸城の歴史の記事は → ここ )。比高30メートルほどの小山
に空堀や郭跡を残す史跡である。
ここは家から近く、「ひまわり市場」にも至近、しかも花見客はごくわずかという絶好のスポットだ。
谷戸城址の桜を楽しむちょっとした工夫がある。
「ふるさと歴史館」側(城の北側)でなく、南面の駐車場にクルマを停めるのである。これで楽しめる桜の数が倍以上になる。
左:南面は急峻な斜面になっている
右:看板はいまだに大泉村のまま こういう所にカネをかけないのは好感が持てる
(山頂方面を見上げる)
(桜を眺めながら登っていく)
(桜の中を頂上へ)
駐車場から歩くこと10分、八ヶ岳が突如として姿を現した。
(編笠、権現、三つ頭、赤岳とならぶいつもの山容)
(山頂から眼下の駐車場を見下ろす)
東京で満開の桜を堪能し、八ヶ岳南麓でまた楽しむ。来週には我が家周辺の桜も満開になるだろうから、およそ1か月にわたって桜を楽しむことになる。
よく考えてみると、これは中々ぜいたくなことかもしれない。