別荘の固定資産税減免と「ETC利用照会サービス」の落とし穴 | 八ヶ岳ゆるふわ日記

八ヶ岳ゆるふわ日記

八ヶ岳南麓大泉と東京を行ったり来たりの毎日。日々のよしなしごとを綴ります。

 

(八ヶ岳南麓の美しい景色を楽しむためにはややこしい手続きが)

 

 我が国の各種租税の中でもっとも合理性に欠けるもの、それは固定資産税である。

 そもそも土地建物などの固定資産を保有すると何故毎年税金がかかるのか。その資産から家賃などの収入を得ているというならそれは所得税を課せばいいし、貴金属と同様に「ぜいたくなヤツめ!」ということなら取得l時に消費税を課せばよい。要するに固定資産税は封建時代の「棟別銭」や「段銭」の名残にすぎないのである。そのくせこいつは住民税やら国民健康保険料やらにも「資産割」などと称して図々しく顔を出すからさらに腹立たしい。

 

 別荘にも当然固定資産税はかかる。

 ただし毎月常に1日以上の利用実績がある場合は「セカンドハウス」と認定されて固定資産税(土地及び新築の建物)の減免を受けることができる(減免の概要の記事は → ここ )。 この減免措置は地方税法で定められているものだから、北杜市だけが気を利かしているわけではなく全国の地方自治体どこでも同じである。

 

 セカンドハウスの認定はどのように行われるか。

 北杜市の場合は毎月の居住実績を証明するため市内店舗のレシート又は北杜市内を走行した事実が分かるETC利用実績を5年分常に保管することを義務付けている。時々抜き打ち検査をやってひと月でも抜けがあるとセカンドハウス認定を取り消し、100%課税に戻すというから恐ろしい。

 

 北杜市税務課職員の方々の名誉のために付言すると、この愚行を考え付いたのは彼らではない。固定資産税を所管する総務省(旧自治省)の役人が、「認定のやりかた例」を各自治体に通達しているのであろう。その証拠に各自治体とも多少の差異はあるがほぼ北杜市と同等の愚行を別荘族に押しつけているからだ。

 

 前置きが長くなったが、抜き打ち検査など所詮こけ脅し、地方公務員がいくら暇でもまさか実際にそんな愚行を犯すはずがないと高を括っていたのだが、市内の別荘族トモがこのたび晴れて(?)抜き打ち検査のターゲットとなったのである。

 

 もともと小心者の私は血圧を沸騰させながらも毎月レシートを台紙に貼って律儀に保管しているのだが、これから先は本格的にボケも入るのでいつなんどきレシートを貼り忘れるか知れたものではない。

そこでレシートの代わりに「ETC利用照会サービス」を利用することにした。

 

(ログイン後の最初の画面)

 

 やってみれば至極簡単で、この方がはるかに気が利いている。

 ところがこのサービスにも陥穽があった。利用履歴を遡れるのは過去15か月分だけなのである。抜き打ち検査経験者によると、敵(敵じゃないか、いや敵のようなものだ)は「2017年6月の滞在実績を見せてください」などと過去の特定月をピンポイントで攻めてくるらしい。

 

 (利用明細画面 過去15か月じゃなくて過去60か月にしてほしいものだ)

 

 ということは、抜き打ち検査対策としては1年分の利用実績を毎年プリントアウトして保管しなくてはならない。このひと手間、レシート貼りよりは楽ちんだがその分忘れるリスクも大きい。これからは確定申告と同時に利用実績をプリントアウトすることにした。