愛犬の粗相 | 八ヶ岳ゆるふわ日記

八ヶ岳ゆるふわ日記

八ヶ岳南麓大泉と東京を行ったり来たりの毎日。日々のよしなしごとを綴ります。

(飼い主に怒られてしょげかえるそら 犬の表情は豊かだ)

 

 もうすぐ7歳になる愛犬そら。人間でいうと現在43歳だから、後厄といったところか。

 

 かつては、

「そら、耳ペロペロ」と言うとしっぽを振りながら私の耳をなめてくれたものだが、おっさん化した今では見向きもしない。

 ところが昨晩リビングで私がゴロゴロしていると、やおら近づいてきて両耳をペロペロやりだした。

 動物学者によると、犬が飼い主の口元をなめるのは愛情表現だが耳をなめるのは単に塩分補給が目的らしい。そらは右耳をなめ、私が顔をそむけると左耳、しまいには額までペロペロした。よほど塩分が不足しているようだ。

 

 風呂に入って寝室に行くと、そらが私のふとんでぐっすり眠っている。冬になってからそらは私のふとんの上で寝るようになった。夜中に蹴飛ばされるリスクはあるものの、「最高級ハンガリー産羽毛布団」というのをニトリで買ったばかりなのでこちらの方が暖かいのだろう。

 

 畜生とはいえ居候の立場は心得ているらしく、そらはふとんにかけた毛布(毛布はふとんの上にかけた方がより暖かい。またそらの汚れがふとんに付着しないガードの役割にもなる)のはしっこ、私の足元のあたりで寝るのだが、ふと見ると私の胸付近の毛布が濡れている。あわてて毛布を剥いでみると超高級羽毛布団もグッショリしていて、さらにシーツまで濡れている。あろうことかそらがここでオシッコをしたのである。

 

 「こら~!なんだこれは」

 私はそらを怒鳴りつけた。

 犬は飼い主の機嫌に敏感だ。すごすごとふとんから出たそらは家内のふとんへ移動した。

 

(フテ寝するそら)

 

 それから毛布とシーツの洗濯、さらには超高級羽毛布団の洗濯である。

 ようやく騒動もおさまって、一人ふとんに入って考えた。

 そらは室内でオシッコがしたくなった時は必ずトイレシートにする。過去一度として粗相などしたことはない。それが今回に限って何故シート以外の場所で、しかも寝場所のふとんにしたのだろう。

 

 これはオシッコではない。私は思い当たった。そういえばオシッコ臭がしなかった。

 おそらく夢精のようなものに違いない。去勢されてはいるものの、変な夢を見て溜まっていた液体(人間でいうとカウパー氏腺液のようなヤツ)がドドっと噴出したのだろう。突然の出来事にオッたまげたそらは、あわてて飼い主のもとへ飛んできて窮状を訴えたのだ。

 

 そうとも知らず「塩分補給~」などと勘違いして知らぬ顔の半兵衛を決め込んだ挙句、愛犬を怒鳴りつけた私は何と恥ずかしい男だろう。かわいそうなそら。

 

 翌朝おそるおそるそらの様子を伺うと、大いびきで寝ている。

 目が覚めてごはんをたっぷり食べさせてから散歩に行った。そらは飼い主の理不尽な行動にもシコリはない模様である。

 

 度量の広い飼い主に心の中でお詫びしておやつをほんの少し増量したのは言うまでもない。

 

 

(ん、何かあった?)