(蔵元居酒屋「清龍」神田店)
ブログ友のYさんとようやく新年会をやることができた。
場所は神田鍛冶町の居酒屋「清龍」。ここは埼玉の酒造会社清龍酒造(創業慶応元年(1865))が経営する都内屈指のコストパフォーマンスを誇る居酒屋チェーンである。
神田鍛冶町はJR神田駅南口に広がる地域で、その名の由来は慶長8年(1603)に江戸幕府の鍛冶方が彼の地に住み着いたことによる。元々イナセな職人衆の街で、しかも駅に近いことから、隣町の日本橋室町と比べて猥雑な雰囲気を漂わせた街だ。
(細い路地に飲み屋が蝟集している)
以前も触れたが神田には不可思議な住所表示が多い(以前の記事は→ 神田司町「八ッ手屋の天丼」)。
ここ神田鍛冶町も、鍛治町1丁目(=清龍の住所)、鍛治町2丁目と来て、その次は神田鍛冶町3丁目
となるのである。
調べてみると、元々は皆仲良く「神田鍛冶町」を名乗っていたのだが、ある日おカミより、
「町名から『神田』は外します。その際ついでに3丁目は内神田に移します」とのお達しがあった。
これに3丁目の住民は猛反発した。というのもかつては「鍋町」という町名だったのを神田鍛冶町3丁目に変更すると言われて泣く泣く受け入れた過去があったからである。
しかも「内神田」なんていうのは、由緒正しい町名から見ると「新軽井沢」とかと同じくどこそこいかがわしい(失礼)ものだから、嫌がる住民におカミも無理強いはできず、結局そのまま神田鍛冶町3丁目の町名が今日まで残っているのである。なお、
「神田岩本町と岩本町1~3丁目がある」
「神田司町と神田多町には2丁目はあるが1丁目はない」
というのもほぼ同様の経緯である。
そんなウンチクはともかく、清龍の飲み放題3000円コースは目をみはる充実ぶりだ。
(メインは寄せ鍋 この他にサラダ、刺身、フライドポテト(?)、揚げ餃子(?)なんかが出てきた)
Yさんとはもう長いおつきあいのように思えるのだが、考えてみると定年退職直後の2018年4月に初めてお目にかかったのだから意外と短い。
この夜も吉田拓郎やらラグビーやらをネタにああでもない、こうでもないと話し込んでいるうちに飲み放題制限時間の2時間はあっという間に過ぎてしまった。
わざわざ職場から遠い店を物色してくださった厚意に応えるべく、二軒目はYさんのお好きな焼き鳥屋にしたいのだが、残念なことにこの界隈には思いのほか焼き鳥屋が見当たらない。路地をあっちに行ったりこっちに行ったりして、ようやく焼き鳥チェーン店「鳥元」に二人はよろばうように飛びこんだ。
(白レバ刺し これは旨かった)
それにしても合計120歳になろうかという二人にとって「飲み放題」はきつい。
次回は六大学野球観戦で、と約束したのは覚えているが後のことはどうもはっきりしない。気がつくと
寝床で穏やかな朝を迎えていた。
(散歩で見かけた梅の花 いつの間にか開花したのか鮮やかな紅梅が目にチラつく)