秋の花たち | 八ヶ岳ゆるふわ日記

八ヶ岳ゆるふわ日記

八ヶ岳南麓大泉と東京を行ったり来たりの毎日。日々のよしなしごとを綴ります。

(八ヶ岳にはキクイモの花がよく似合う)

 

 一週間ぶりに戻った八ヶ岳南麓はすっかり秋になっていた。

 久しぶりにくっきりと姿を現した八ヶ岳の前景にキクイモの花が咲いている。「これぞ秋」という景色だが、そのキクイモの横ではソバの花が満開で、こちらも秋そのものという感じである。

 

(ソバの花の上には「ゴーストバスターズ」のようなユーモラスな雲が4つ) 

 

 我が家の周辺ではソバの花をよく見かけるが、2019年の山梨県ソバ生産量は108トン、全国生産量

(41200トン)のわずか0.3%に過ぎない。おそらく標高1000mに近いごくわずかの適地で集中的に栽培されているのだろう。ちなみにお隣の長野県の生産量は2910トンで山梨県の27倍。「信州信濃の蕎麦よりもわたしゃあなたのそばがいい」と言われるのもダテではない。

 

 我が家の庭ではコスモスがジャングル化していた。

 なんとなく夏の花の印象があるのだが、「秋桜」の異名のとおりコスモスは秋の花だったのだ。

 

 

 うす紅の秋桜が秋の日の

 何気ない陽だまりに揺れている

 この頃涙もろくなった母が

 庭先でひとつ咳をする~

 

 秋の情景と別れの心情が見事に謳われているなあと思ったら作詞作曲はさだまさしだった。彼は泣かせるコツを本当によく知っている。

 

 我が家で秋の主役といえばシュウメイギク(秋明菊)である。私はこの花が一番好きだ。

 

(ほぼ満開)

 

 シュウメイギクは古代に大陸から渡ってきた帰化植物で、海外では「ジャパニーズアネモネ」と呼ばれる我が国を代表する秋の花のひとつである。

 にもかかわらず秋桜のように歌になることもなく、和歌などでもほとんど取り上げられていない薄幸の花だ。大体キク類は歌の題材となることが少なく、例えば百人一種でも、

 

 心あてに

  折らばや折らむ 初霜の

 おきまどはせる 

  白菊の花  (凡河内躬恒)

 

の一首だけ。もっともシュウメイギクはキク科でなくアネモネの仲間(キンポウゲ科)だが、どっちにしても日本人の心の琴線を揺さぶることがない花なのだろう。

 

 シュウメイギクが散った後はこれという花が咲くこともなく、八ヶ岳南麓は長い冬になる。

 明日はニンニクの植え付けをすることにした。