わかくさモノ造り工房

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ペーパークラフトを中心に創る造る作る

PowerPoint®で地獄底を作ってみた 進化過程のmyディスプレイケース

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みなさん

地獄底ってご存じですか??

閻魔大王の鎮座する仏教六道の最下層

死後の刑罰の場所、霊魂神の怒りに服する場所

悪事を成したものが灼熱の責め苦を受ける場所

そんな地獄の底?

 

なんともまぁ物騒な印象を受けますが

ご安心ください、いたって平和なものの名称です

 

しかも現代社会に生きる我々が、一度は目にしたことがあるはず

「まさかこれにこんなおどろおどろしい名称が付いていたとは!」的な

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元はといえば・・・

今までもたくさんの作品を作ってきましたが

あるときは お気に入り作品をケースに入れて保存

またあるときは 贈答品として飾りたい

その他諸々の理由から、ディスプレイケースを探していたのです

もちろん上のリンクの透明ケースシリーズは優秀です

 

ところがこのバリエーションでもカバーできないサイズ

あるいは「床置き」では無い、壁飾り的なディスプレイの時はどうするのか

色々考えてみました

 

そう、ここはモノ造り工房

自分で作るディスプレイケースがあってもいいんじゃないか?

ということで、箱の作り方をちょっとだけ調べてみました

 

そこで見つけたのがこの地獄底

 

ま、みて貰えれば分かりますよ

 

これです!

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ね?見たことあるでしょ? 段ボールの裏側とかで

私も最近この名称を知りました

 

これはとても便利で、簡単に組み立てられることが出来るうえに

内側から力を加えると互いの紙片が干渉しあって結構しっかり固定出来ます

ところが外側(底側)から内側に力を加えると簡単に解体することもできるのです

 

例えば

余り重くない商品(例えばケーキ屋さん)を扱うお店

箱を組み立てた後、いちいちガムテープで底を固定するなんて作業

忙しくてやってられない

かといって先に組み立てて置いておくにしても、かさばって仕方ない

 

そんなときにこの地獄底システム

平面のまま収納して置けるし、必要な時にすぐ組み立てることが出来て

そこそこの強度がある

というスグレモノ

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さて、これを作るにあたって・・・ 

世の中には必要な寸法を入力すると、自動的に展開図を作ってくれる便利なサイトもあるのですが・・・

web1.kcn.jp

 

せっかくなので、自分なりに分析していつものPowerPoint®で作ってみることにします

 

とはいってもワタクシこの手の専門家ではないので、まずはザックリと構造を見てみましょう(つーかこういう専門分野って何?構造工学?実用数学?)

 

ちょっと分解してみましょう

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こうなって→こうなって→こう ね

ふむふむ

 

数学的な専門知識の無い素人の分析ですが

文章で簡単に表すと・・・

底面の中心あたりに貯金箱の穴のような架空の穴があって

そこに各辺からのパーツが寄せ集まって互いに干渉してロックする

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・・・的な構造と考えると分かりやすいかも

 

では、わかくさモノ造り工房的地獄底の描き方を紹介しましょう

描画ソフトはいつものPowerPoint®

単純な図形を組み合わせるようなお絵描きには抜群の使いやすさ

 

文字からでもイメージしやすいように各パーツに勝手に名前を付けてみましょう

これが 貯金箱穴

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これが 凹富士

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これが 凸富士(上の画像に準拠して逆さ富士)

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これが 北斎波(右)

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これが 北斎波(左)

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葛飾北斎富嶽三十六景」のあの有名な「神奈川沖浪裏」の波に似ていることから命名

これで形状がイメージしやすくなると思うのですが

うーん、相変わらずのネーミングセンスの無さ・・・orz

 

貯金箱穴

左右の端に小さい円を付けておくと次の作業がイメージしやすい

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長さは適当ですが、底面の1辺の1/2~1/3までの間が良いでしょう

必ずしもど真ん中じゃなくても良いのですが、北斎波を左右反転コピペで済ませたいなら真ん中がおすすめ

 

凹富士

貯金箱穴の近い方の辺を使います

左右の小さい丸を回避するように左右に突起を作ります

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突起の外側端から底辺の端まで線を繋ぎます

 

北斎

凹富士の突起と互い違いに組み合わさるように突起を作ります

ちょうど陰陽道の太陰太極図みたいな感じ

この時も貯金箱穴の小丸を回避するようにスキマを空けておきましょう

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ここでスキマ(貯金箱穴の左右の小丸)を空ける理由は

図面上では正確に製図出来ていても、実際切り取るときにズレが出たり、紙の厚さなどが影響し、組み合わせる部分がキツキツになってしまいます

「遊び」が必要なんですね

ただこのスキマが大きすぎると今度は組み上げたあとに箱がグラグラになって歪んだり捻じれたりします

 

凸富士

貯金箱穴を通るような突起を中心部に作って、あとは底辺と繋げます

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これでそれぞれのパーツが完成

では分かりやすく立方体になるよう展開図を作って

各パーツを配置してみましょう

凹富士と凸富士は対面にきますので北斎波を互いに挟むように配置

北斎波は凹富士に向かって波が押し寄せる方向で左右対称になるよう配置

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組み立てるときは凹富士の突起、北斎波の突起がそれぞれ互いのパーツの下に来るようにします

あとは凸富士をど真ん中にブッ込む

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あら簡単 上の画像を逆に並べただけ

 

早いハナシが、この貯金箱穴周辺の突起がしっかり配置されていれば、その他の部分は比較的自由度が高いです

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例えばこんな遊び心も・・・

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これを組み立てると

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なんだかめでたい感じの地獄底

 

それから

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一見無関係・無関心な猫さんたち

これを組み立てると

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なんだかラブラブ猫さんの地獄底

っていう訳の分からないものが出来上がったりします

 

この基本構造が分かれば、正方形じゃない底面でも貯金箱穴を基準に描画していくことによって自分で描けるはずです

一旦パワポでテンプレを作っておけばあとは楽チン

 

もちろん手描きでもできるので興味がある人は

はい、即実践!!

 

かくして

新たなディスプレイケース製作を企画するにあたって

かなり役立つ技術を身に着けることが出来ました

 

次は素材をどうするかねぇ・・・

 

 

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