ゆらゆら荘にて

このごろ読んだ面白い本

隣人X

2020-11-27 | 読書日記
今晩は雪になるようです。

「隣人X」(パリュスあや子著 2020年8月 講談社刊)を読みました。




SFっぽいプロローグから一転
最初の三章は
都会の片隅に暮らす女性たちが描かれる。

土留紗央(つちどめさお)は
派遣社員として働いている。
紗央は嫌な出来事に遭遇し
社員証を紛失してしまう
……

柏木良子は
コンビニの早朝勤務と宝くじ売り場での販売の仕事をしている。
40を過ぎた良子には
週刊誌の記者をしている年下の恋人・憲太郎がいる。
ある日
憲太郎が良子の両親に会いたいと言い出す。
なぜ?
まさか結婚の申し込み?
……

ベトナムから日本にやって来たリエンは居酒屋で働いている。
日本語学校に行っているが
日本語はなかなか上達しない。
バンドをやっている拓真に
ライブに誘われたが
リエンは本当の自分を見せることが出来ないでいる
……

3人の登場人物の生活に共通するのは
アメリカで惑星難民の受け入れが決まったというニュースだけ
……

あれ?
こういう話だった?
プロローグとあまりに違う登場人物たちの生活に戸惑っている
うちに
彼女たちの生活に惑星難民が絡んでくる。

人類と全く同じ姿になれる惑星難民たち。
惑星難民Xは、
「地球人と初めて接触したかのように振るまう」
え?
いったい、いつから惑星難民は
地球に来ていたの……


しっくりこない生活の描き方と
みごとなトリックに脱帽です。





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