「携帯電話料金値下げ」より見直して欲しいことは

新しい内閣が発足して、早速総務大臣が「携帯電話料金について見直す必要がある」との発言を行ないました。政府の考えとしては格安SIMを提供するMVNOやサブブランドに移行するのではく、大手キャリアの基本料金を下げさせたいという事だと思いますが、先日も書いた通り、大手の場合は代理店ビジネスで、値下げを待望しているとする人たちのほとんどが携帯ショップへ行って説明を受け、様々な手続きをしていることを忘れてはいけないでしょう。通信料の値下げをしても従業員の雇用は守れるのか? そんな事も気になります。

携帯ショップでの直接的な契約は、今はどうかは知りませんが、不要と思われるようなオプションを付けられたり、サービスの開通設定をモバイル通信(Wi-Fiは使えないと言われた)で行なわれ、初月のデータ通信料をそこそこ取られた経験があるので、今もこうしたオプション付保を前提にした接客が続いているのだとしたら(オプションを付けさせないとショップの経営が成り立たない?)、基本料金よりもこうした営業手法についてきちんと指導し、基本プランのみで通話も通信も利用料を気にせずにできるくらいの料金プランを適正な金額で提供してくれるよう整備する事の方が大事だと思うのですが。そうしないと、不必要と判断された従業員は解雇される可能性もあります。

さらに、「携帯電話料金」という時にこれは単なる「通信料」のことなのか、「端末購入代」を含めた料金のことなのかという問題があります。通信料はそれなりに安心して使えるくらいのものをサブブランド(ワイモバイルやUQモバイル)が提供してくれていますので、もし私が「今より携帯料金を安くしたい」と相談を受けた時はサブブランドの店舗へ行くことをおすすめしますが、どうにもならないのがスマホ本体の価格の問題です。

現状で多くの日常的に使うサービスを使うには、最低QRコードを利用した電子マネーなりポイントサービスが使えればいいので、あえておサイフケータイの機能が入ったものは使わなくてもいいと思うのですが、ただ毎日鉄道やバスを使っている方でしたら、Suicaなど交通系電子マネーの使えるおサイフケータイ機能付きのスマホを選んだ方がいい場合もあります。また、初心者であればあるほど落下させたり水没させたりする危険がありますので、オプションの保証をごり押しするのではなく、毎月の通信料を減らすためにできることはたくさんあるはずです。

すでに一部のスマホでは、新品で購入した時点で保護フィルムはすでに貼ってあり、本体の付属品として専用のソフトカバーが付いています。私は付属のカバーはあえて使わず、ストラップが使えるカバーを改めて購入し、落としそうになっても落ちないようにして使っているのですが、それでもソフトカバーを付けて使っていればかなり本体破損のリスクを回避することはできます。これもスマホメーカーに本体の付属品としてストラップ付きのカバーを付けるように指導するだけでも、多くのスマホ初心者ユーザーが安心してスマホを使えるようになりますし、本体破損による突発的な出費を抑えることも可能です。

さらにもう一歩進んで、スマホの売り方自体にも、初心者ユーザーを意識したものを考えてもいいのではないかと思います。初心者に目のくらむようなよくわからないアプリを入れ込んだスマホを提供するのではなく、元々のアプリの数を減らしスマホの動作をきびきびさせるようなスタンダードタイプの端末を、キャリアの垣根を超えて作るという考えはないものでしょうか。

いわゆるSIMフリータイプのできれば防水・防塵付きでおサイフケータイ付きと付かないものの2種類作り、携帯ショップだけではなく全国のコンビニで販売し、アマゾンのKindleのように、時々広告が入るものと入らないものを作って、広告入りでおサイフケータイが付かないものだったら5~7千円くらいで買えれば、旅先でスマホが破損したりした場合でもコンビニに飛び込めば何とかなりますし、さすがにコンビニの店員クラスでも既存のスマホからSIMカードを取り出し、新しい携末に入れ替えることができるように教育すれば、iPhoneいらない通話とウェブ・電子マネーくらいは使えればいいという人にとっては日々の通信料金だけでなく端末が古くなったり壊れたりした時でも安心して使い続けられるようになるでしょう。

また、携帯ショップで積極的にシムロックを外した中古スマホの販売をはじめることで、さらに通信関連費用に対してのハードルは下がります。車は中古車市場が一定の市民権を持っているのですから、今後スマホがなければ買い物ができないような状況の中、新品のスマホだけ売って利益を取ろうとするよりも、それこそ「携帯電話料金を下げるため」に、中古市場の活性化についても真剣に考えていただきたいと思います。

そうなると「高いからスマホは持たせない」という言い訳が通らなくなるので、小さなお子さんを持つ親御さんは大変だと思いますが、今後は良くも悪くもスマホを持たないとどうにもならないので、スマホを持つことを前提としてその付き合い方を考えるような考え方の変換が必要になってくるでしょう。


カテゴリー: 通信サービス全般ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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