皆さんこんばんは。
世界中で新型コロナウィルスの猛威がふるっていますがいかがお過ごしでしょうか?
アクション映画とホラー映画をこよなく愛するいわしでございます。
蔓延するコロナウィルスのおかげで映画館にも行けず悶々とされている方も多いかと思いますが、そんな時こそホームでゆっくり過去の作品を見直すなんてのもいいんじゃないでしょうか?
そんな時間と暇を持て余す方々に少しでもこんなマニアで面白作品に興味を持っていただこうと始めました『いわしの映画独論』今回で14回目となりました。

さて今回取り上げますネタはこの独論シリーズ第3回で『次世代○○』について語ったと思いますが、その中で『次世代ヴァン・ダム』について少し書かせていただきました。
個人的な見解ですがいわしが思う次世代ヴァン・ダムは『スコット・アドキンス』で落ち着いたわけですが、実はこの次世代ヴァン・ダム非常にたくさんの候補がいて、ヴァン・ダムの座を目指したスターたちがいました。
結果としてヴァン・ダムを超える存在にはなりえなかったのですが、それでも大いに当時のアクション映画界を盛り上げたのでした。
そんな泡中のごとき次のヴァン・ダムになり得たアクションスターたちについて語っていきたいと思います。

チャック・ノリスからマーシャルアーツ映画の主流を勝ち取ったヴァン・ダムですが彼の活躍が最高潮になった90年代前半。早くもハリウッドはヴァン・ダムを超えるスターを探そうと躍起になっていました。
それは格闘技の達人やアスリートなど多岐に渡ったのですが中でも次のヴァン・ダム候補として名が挙がったのが『キックボクシング』出身者でした。

当時はスター選手であったベニー・ユキーデらが香港映画で活躍するなど短い現役からのセカンドキャリアとして成功しているのを見ていた時代。
足技に定評のあったヴァン・ダムが『キックボクサー』でヒットを飛ばしたこともありアクション映画界はキックボクシングに原石を見出そうとしていました。
そしてB級アクションの配給会社は有名プロデューサーたちを取り込んで世界各地のキックボクサーたちをアクション俳優として招聘していきます。


まず最初に呼ばれたのはフランス出身のキックボクサーで元軍人のこちら
『オリヴィエ・グラナー』

 

 


でした。
彼はヴァン・ダムの『ライオン・ハート』を手掛けたプロデューサーに招かれ『エンジェル・タウン』という作品で主演デビューします。
なおこの作品は無名時代のマーク・ダカスコスも出演しているレア作品です。
彼はキックボクシングのほかにフランスの特有の足技格闘技『サバット』の達人であり、その速射砲のようなマシンガンキックが特徴のキッカーでした。
鍛えられた肉体美など申し分ないテクニックの持ち主でしたが英語が苦手という致命的なハンデがあり、そのためしばらくはセリフのあまりないサイボーグの役や寡黙な傭兵などの役が続きブレイクするまでには至りませんでした。
それでもSFアクションの『ネメシス』や寡黙な最強傭兵役の『マーシナリーシリーズ』などはB級アクションファンの評価も高い人気作品で現在も主演作が続くアクションスターでございます。


アメリカのキックボクシング界で伝説となっていた史上最強といわれたキックボクサーも第一線を退いたあとアクション映画界にはいってきました。
それが彼
『ドン・ザ・ドラゴン・星野・ウィルソン』

 

 


でございます。
彼はWKA以外のキックボクシング界を次々と渡り歩き、合計で16タイトルものチャンピオンに輝いた実績をもちます。
これは未だ誰も破ることができておらず、もっともタイトルを獲得したキックボクサーとしてギネスにも認定されているほどです。
彼はヴァン・ダムの『キックボクサー』の亜流アクションである『キングオブキックボクサー』シリーズや『ブラッドフィスト』シリーズに主演し独自のキックボクシングアクション路線をひた走るのですが、実戦をひきずり映画的にそこまで派手な技がないドンのアクションは玄人向けで一般ウケはしないものでした。
彼の眷属でもあるキックボクシング団体の選手たちも彼の主演作を盛り上げるために奮闘するのですが、数々のタイトルホルダーたちが集まってもアクション的にはそこまでプラスになることは少なく、知る人ぞ知るの値を脱することは難しいようです。
ヴィンス・マードッコエリック・リーなど動きにキレのある猛者もいましたがドンの作品でブレイクすることはなかったようです。
そんなドンさんは還暦近くになってもなんといまだ現役のキックボクサーでエキシビジョンながら試合をすることも。
アクション的には実戦同様カウンター攻撃が多く、アメリカンキックボクシング特有のサイドキックを武器に映画の方もコンスタントに主演しています。


ヴァン・ダムの後継を名乗るにはやはり足技の凄いことが第一の条件なのかもしれません。
その点においてはその派手さ、試合のパフォーマンス、テクニックと一時期期待されたのがこの
『ジェリー・トリンブル』

 

 


でございます。
現役時代はアメリカンキックボクシングらしい派手なパフォーマンスとブロンドの長髪をなびかせて戦う姿から『ゴールデンボーイ』と呼ばれた彼。引退後は当然のごとくアクション映画界に参戦してきます。
しかし現役時代からするとトレーニング的にも差がでるのか肉体的にごつくなっていき、正義の役どころがなかなかついてこなくなりました。
それでも二段飛び後ろ蹴りや旋風脚などアクロバティックかつテクニカルな足技をこなし、『キングオブキックボクサー』では麻薬組織のボスを『ブリージングファイア』では犯罪組織のボスを貫禄たっぷりに演じております。
中でもジェット・リー主演の『ハード・ブラッド』では凶悪なラスボスとして香港テイストのアクションに順応し、ジェット・リーと白熱の一騎討ちをみせて話題となりました。
珍しいところではアクション女優カレン・シェパード主演の『ターミネーターコップ』という作品で武術の達人の刑事を演じていて、ラストでは『キックボクサー』のトン・ポーことミシェル・クイシと激闘を繰り広げたりもしています。


彼らのほかにもキックボクシング出身者はかなりスカウトされてアクション映画の主演をはっています。
元ミドル級チャンピオンの
『デル・アポロ・クック』

 

 

は香港アクション女優シンシア・カーンとの共演となった『エターナル・フィスト』や総合格闘技出身のモーリス・スミスと共演した軍事アクション『バトル・ウルフ』などに出演。
あのUWFの前田日明と壮絶な異種格闘技戦を繰り広げた
『ドン・ナカヤ・ニールセン』

 

 

は先のデル・クックと金網デスマッチで戦った『バーニング・ファイター』『エターナル・フィスト』で悪役としても活躍しましたが、いかんせん現役後の肉体美の衰えと単発なアクションでブレイクにまでは至りませんでした。


そんな中でもっともヴァン・ダムの座に近づいたのが
『ゲイリー・ダニエルズ』

 

 

でございます。
北米キックボクシングチャンピオンにまで輝いた彼は12歳でテコンドーを習得し、79年から14年間キックボクサーとして活躍。35勝4敗うち34KOという強さでした。
彼はテコンドーの素養もあったことから非常に柔軟性に優れており、ヴァン・ダムの代名詞ともいえる180度開脚も飛び後ろ回し蹴りも難なくこなします。
そして何よりジャッキー・チェン『シティーハンター』で敵役として抜擢されたことから香港テイストのスピーディーなアクションにも対応でき、肉体美的にもテクニック的にもヴァン・ダムを上回るほどのポテンシャルを持っていました。
しかし彼は主演作品に恵まれず、最凶の実写化アクション『北斗の拳』でみそがついたあとはパターン化された格闘技に長けた刑事や軍人役などが続き、惜しくもブレイクとはなりませんでした。
現在も50代後半ながらトレーニングは怠らず、見事な跳び回し蹴りを見せてくれますが、低迷し『エクスペンダブルズ』で復活後は主演よりも脇役や悪役でインパクトを残すことが多く、再ブレイクを個人的に望んでいるひとりであります。


いかがでしたでしょうか?
才能豊かなキックボクシング出身のアクションスターたちですがやはりヴァン・ダムの築き上げた壁は高かった。そういわざるを得ませんね。
彼らのほかにもイアン・ジャクリンエヴァン・ルーリといったチャンピオンでありながら名もなきアクションスターたちも数多くいます。
そしてキックボクシングだけでなく『ポストヴァン・ダム』を目指したアクションスターたちは様々な格闘技、アスリート出身者がいるのですがそれはまた次回以降の映画独論にて語ることにしましょう。
次回はどんなネタでお会いしますかお楽しみに!
(^^)/

 

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